アドバイスし過ぎるコンサルティングは嫌われる?

SWOT分析、事業再構築、経営承継可視化コンサルタントの嶋田です。

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多くの経営コンサルタントや会計事務所などの経営支援業務の専門家は、「企業にアドバイスすることがコンサルティング」だと思っています。

それは一般の方もそうです。

私も36年この世界にいますが、職業を聞かれて「経営コンサルタントです」と答えると普通の方は、「企業にアドバイスする仕事ですね」と。

当然アドバイスはします。

それは自分の専門知識が役立てる場面に出くわし、要望される場面では。

しかし、多くの場合相手が聞いてもいないのに、こちらからしゃしゃり出てアドバイスをすることはほとんどありません。

今回書きたいのは「アドバイスし過ぎるコンサルティング」は、嫌われるということです。

1,専門知識のアドバイス中心の指導だと単発契約が多い

経営者がコンサルタントを活用したいと思うのは、

●専門的アドバイスが欲しい時

●人材育成につながるサポートが欲しい時

●自分の考えが間違っていないか客観的アドバイスが欲しい時

●組織の仕掛けや仕組みが機能的に動くサポートが欲しい時

●経営者の不安、悩みを共有してほしい時

●社員や幹部には言えない経営の課題を一緒に考えてほしい時

などです。

このうち「専門的知識のアドバイス」ばかりだと、そのノウハウ習得が終われば「ハイ、さよなら」と一旦関係が切れます。

「専門的知識」は大事ですが、そればかりに終始せず、それをきっかけに「長期の関係性」に持っていくことを考えないと、コンサルティング活動や生産性は不安定になります。

 

2, アドバイスが本当に受けいれられているか?その時の経営者の態度とは?

「アドバイス病」が強い人がいます。

経営者と面談していると、事あるごとに「だったら、〇〇した方がいいですよ」と常に何らかのアドバイスを繰り返す人です。

本人はそれが「経営者の役に立っている」と悦に入っているのです。

しかし、とうの経営者はそれほど感心していません。

「アドバイス病」とはコンサルタントや会計事務所、士業の方に多い病気です。

その「アドバイス病」が経営者の要望や課題に直結しているかどうかを図る尺度があります。

それは、

アドバイスを受け入れる時、経営者は、メモを取るなり、再質問を繰り返すなり、うなずきが深いなど、何らかのアクションをしてきます。

もしこういう反応がないなら、そのアドバイスは「スルー」されていることであり、経営者からみると「ウザい」と思われているかもしれません。

 

3,経営者が自ら気づくアドバイスしないコンサルティング

「アドバイスしないコンサルティング」とは別名「コーチングコンサルティング」とも言います。

これは経営者の質問や相談があったときに、即座に答えや具体策を提案をせずに、様々な再質問やヒントを駆使し、経営者自らに答えを見つけてもらう会話術です。

経営者からの質問に「即答」することがカッコいいと思っているかもしれません。

しかし、それでは経営者が課題の本質や真意を言う前に、表面的な答えが出てしまい、経営者の心の奥底の課題にまえ到達しません。

よくある事ですが、経営者から相談や課題提示があったときに即答した答えと、とことん真意を聞いた後に提案した答えでは、内容が異なる事があります。

法律で決まっているような専門知識なら、即答もいいでしょう。

しかし、経営課題はアナログであり、答えが決まっていません。

だから経営者の真意を聞く習慣を身に着けないと、経営者面談がいつまでも表面的になります。

そこで「アドバイスしないコンサルティング」です。

これは経営者からの質問、課題提示などに対して「5W2H」で再質問を繰り返します。

ケーススタディやヒントを多用しながら会話を繰り返し、最終的には経営者自身に「そういえば、・・・もありですかね?」と言ってもらう事です。

コンサルタント側に具体策やアドバイス項目があっても、即答せずじっと我慢をして経営者から発案するように仕向けます。

経営者は人からアドバイスしたことより、自分で気づいたことの方がアクションする確率が高くなります。

だから、「アドバイス病」のコンサルタントは結構「百害あって一利なし」かもしれません。

 

4,専門ノウハウ型コーチングコンサルティングが主流に

これからのコンサルティングの主流は「専門ノウハウ型コーチングコンサルティング」になると予想されます。

ある特定部分の知識や専門性(専門性はきりがないので、好きな分野でも可)はあるけど、それ以上に「コーチング」による「再質問力」「ヒント力」「事例知識」の能力が必要になるということです。

既に「コーチ」や「メンター」を持っている経営者は増えています。

その中でも「経営戦略知識のあるコーチ・メンター」のニーズがますます高まる事でしょう。

 

「経営戦略知識のあるコーチングコンサルティング」とは、今後のビジョンづくりや未来戦略、事業構造、ビジネスモデルを一緒に考えてくれるコンサルタントです。

しかも、「〇〇戦略をした方がいいです」とか「〇〇分野が伸びそうです」などと提案するコンサルタントではありません。

だいいち、コンサルタントがこれから伸びるビジネスを知っているなら自分でやれば良いこと。

そんな「預言者」のようなコンサルタントは基本的に如何わしいものです。

だから企業の「小さな強み」を見つけ、それを活かして、ニッチな可能性にぶつけるUSPを見つける「SWOT分析コーチングメソッド」が益々必要になってくるのです。

むろん、今後の不況期に金融機関から融資をもらうためにもSWOT分析は必須だし、今後の各種補助金でも「根拠ある対策」の裏付けとしてSWOT分析は求められます。

SWOT分析はある意味「アドバイスしないコンサルティング」の典型かもしれません。

 

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