嶋田利広ブログ

会計事務所の職員教育

2025.12.3 会計事務所のベテランほど生成AI活用に消極的な理由

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先日も長年、経営支援技術を研修している会計事務所で、生成AIを使った経営支援の実務研修をしてきました。

どんどん生成AIを使っている職員とそうでない職員の差は広がるばかりです。

研修の中でいろいろ聞きだすと生成AIを使えない「メンタルブロック」が分かってきました。

全員が自身でChatGPT無料版や弊社の経営ナビAIの通常のChatを利用はしているが、経営支援ではなく、なにかも調べものに使っているだけです。

では、どんなメンタルブロックがあるのか?

1,若手はサクサク、ベテランは生成AIアレルギー現象

若手職員はプロンプトもどんどん考え、自分の監査業務に使っています。

更に自前でカスタマイズしたMyGPTsも使っていました(MyGPTsとは、設計Wordを入れ込み、AIから質問が来てそれに答えるパターン化をすること)

その若手のノウハウをベテランに行っても、それがどういう事なのかピンとこない方もいました。

若手は何か分からなければ、AIにどんどんプロンプトをいれるので、プロンプト技術も上がっています。

しかしベテランはプロンプトを一から考えたり、何をどうAIに聞くべきか、入り口段階で考えているのです。

「何も考えずにとにかくAIに聞く若手、自分の頭で考えてからAIを使おうとするベテラン」

そして、一部のベテランからは「簡単な事を生成AIに聞くのはできるけど、プロンプトだとか公式だとか言われるともうダメです」と明らかなアレルギー反応がありました。

しかし、顧問先へ経営支援を本格的にしてほしいのはベテランです。

このベテランこそ生成AIを使わないと、経験がないけど経営支援のプロンプトをどんどん挑戦する若手に一気に先越される可能性があります。

まさに「ゆでガエル現象」になっている会計事務所のベテラン職員は多いですね。

 

2,そもそもAIに何をさせるべきか、社長の課題を聞き出せない現実

監査担当者が生成AIをうまく使えない原因に「AIで何を作らせるべきか分からない」という事です。

これも監査担当者が「経営者の課題を聞き出さず、自分の頭で考える」から起こる現象です。

経営者にはいろいろな経営課題があり、その多くの部分で生成AIが素案を出すことができます。

経営者に課題の具体的なことをしっかりヒアリングすれば、生成AIに何をどう出させればいいか見当がつくはずです。

という事は生成AIに関係なく、「経営者の課題や真意等、具体的に必要なアウトプットを聞き出せないだけ」なのです。

その言い訳として

●経営者と面談時間が取れない

●ちゃんと監査業務はしているので、それ以上の監査外業務はしたくない

●経営者と深堀質問やコーチングをするのは苦手

こんな声が多いのです。

 

 

3,生成AIの問題ではなく、ヒアリングの問題

という事は「生成AIのプロンプトが難しい」とか「生成AIを監査後に使う時間がない」などの問題ではありません。

従前からの課題である「監査担当者のヒアリングや質問力、コーチング面談スキル」の問題なのです。

これを上げない事には、生成AIも使えないとなると、いくら生成AIの技術教育をしても、多くの監査担当者には効果がない事になります。

今でも毎月、複数の会計事務所で「生成AIを活用した経営支援スキル向上」の研修教育を行っていますが、行動に移している職員は30%程度のイメージです。

そこまで生成AIを経営支援に使わない理由が、「コーチング面談スキル不足」にある以上、生成AI教育の仕方も考慮しなければなりません。

やはり従前のロープレ中心の研修形態がいいかもしれないですね。

 

 

「生成AIの活用スキル向上」と同時に「コーチング面談スキル向上」を行う教育が今必要なようです。

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