SWOT分析とは

SWOT分析とは.jpg

1,SWOT分析とは何か?

SWOT分析とは内部要因である

「強み=Strength」「弱み=Weakness」

外部環境である

「機会=Opportunit」「脅威=Threat」

をそれぞれ整理し、自社の経営戦略に活かす手法です。

そして、「強みと機会」、「強みと脅威」、「弱みと機会」、「弱みと脅威」のポイントを掛け合わせて(クロス分析)独自の経営戦略を立案するメソッドです。

マーケティング戦略は自社の差別化、USP(独自のウリ)を見出す手法として広く世界で知られています。

それを図にすると、下記のようになります。

SWOT体系図.jpg

一般的には掛け算である「積極戦略」「致命傷回避撤退縮小戦略」「改善戦略」「差別化戦略」まで行うことで効果を発揮します。

2,400回以上のSWOT分析指導から分かった事

弊社ではこれまで400回以上のSWOT分析指導をこの25年間(2024年時点)で実施してきました。

一般的な中小企業だけでなく、病院、福祉施設、会計事務所など多岐に渡ります。

恐らく「日本で一番SWOT分析をしたコンサルタント」だと思います。

またこれまでSWOT分析ノウハウ事例の出版を10冊(2024年時点)している事から「中小企業SWOT分析の第一人者」と呼ばれることも多々ある訳です。

また、弊社の「SWOT分析ノウハウ」は、北海道財務局、九州財務局での金融庁職員向けの勉強会にも活用され、更に京都大学経営管理大学院上級経営会計専門家(EMBA)コースでも導入されています。

こういう経験を通じて、SWOT分析と言う言葉が独り歩きして、「中身のない、効果のないSWOT分析」が広まっている事に懸念があるのも事実です。

それはさておき、400回以上のSWOT分析を指導して分かった事は、「やはりSWOT分析は効果が大きい」と言うことです。

しかも、「強みを活かした独自の営業戦略・経営戦略」を見出す事ができるらです。

その「強み」も経営者、幹部社員が即わかる「顕在的な強み」だけでなく、「潜在的な強み」を発見し、経営具体策に反映されるからです。

「強みを活かした経営戦略」は経営者も従業員も「行動に移しやすい」と言う特性があります。

「強み」とは「苦手ではない」と言うことで、経営者・社員のメンタルブロックが低くなるからです。

だから、行動量が上がれば経営改善するのは当たり前。そのきっかけをつくったのがSWOT分析だった訳です。

 

3,SWOT分析を行うメリット

SWOT分析をするとどんな効果やメリットがあるのでしょうか。

これまでの弊社の実績をベースにご紹介しましょう。

⑴「経営改善計画書」の具体的な根拠となり、金融機関から評価される

 金融機関に提出する経営改善計画書の多くは、「根拠なき数値計画だけの経営改善計画書」であり予定通りの結果にならず、再提出を繰り返しているのが実態です。

 SWOT分析なら、「機会」×「強み」=「積極戦略」の時間を割くため、将来収支改善につながる「未来が語れる計画書」の根拠の対策立案が可能です。

しかも「SWOT分析」からの「積極戦略」では、具体的な商材やその商材の業績効果まで行うので、「御社の経営計画書は理屈があっている」と金融機関に言わしめるのです。

⑵客観分析することで「思い付き」や「独善」の戦略ではなく、合理性があるか確認できる

トップダウン型が多い中小零細企業では、経営者の思い付きと思い込みで戦略や投資が決まる事が多いでそしょう。

新戦略導入後のリスク分析やデメリット分析、顧客ニーズ分析、社内の活用できる経営資源の論理的な仮説検証をしていないので、「自社に都合のよい条件」を並べているケースが散見されます。

特に業績悪化が続いている企業の経営者の場合、「焦り」が強く、「自社に都合の良い条件」だけで、あたかも市場ニーズと思い込む傾向があります。

「都合の良い機会」を並べ立て、「脅威」や「弱み」には目を伏せるのです。
 SWOT分析なら「脅威分析」と「弱み分析」も行うので、「そんなに自社に都合のよい条件があるはずがない」と言う認識になりやすい。

「思い付き」「独善」の防止にSWOT分析は有効なのです。

⑶どの戦略項目に重点的に投資すべきか、逆に抑える投資や費用が分かる

人も資金も制約が厳しい中小零細企業で、複数の戦略や多方面での資金投資や人員配置は不可能です。SWOT分析から出た複数の「積極戦略」から、優先順位を決める事で「絞り込み」が可能となります。

また、「致命傷回避・撤退縮小戦略」を検討することで、経営資源の分散を防ぎ、資金も人員も作業も「引き揚げる項目」が明確になっていきます。

⑷自社の戦略を深く議論することでSWOT分析の検討過程で、最高の後継者教育、幹部教育になる

 SWOT分析検討会では、事業の将来性や将来のリスク、限られた経営資源の分配先など、客観的な分析で、参加者が腹蔵なく議論をします。

その議論の過程が、何よりも幹部教育になる姿を、今まで何度も見てきました

「業績が厳しいから、ただ頑張れ」とだけ言われても、なかなか尻に火はつきません。

しかし、こういう議論は論理的に考える事で、リアルに腑に落ちる事で、本当の危機感創出につながっていくのです。

⑸企業の新しい将来像、ビジョンが生まれ、将来へのモチベーションが高まる

 SWOT分析で「積極戦略」が固有名詞で明確になれば、「こういうやり方をすれば、また復活できる」と納得度が高まります。

幹部も従業員も、今後良くなる可能性が見えるなら、努力や我慢の甲斐も生まれます。

SWOT分析は未来の可能性を見つけ出すツールでもあるのです。

⑹経営者自身の頭が、「何に特化すべきか」「どこから差別化するか」が明確になる

 中小零細企業の場合、前向きな経営者はいつも「あれやこれや、何かいい方法はないか」と頭を悩まし、気を回しているものです。

(だから、いろいろな事に手を出してヤケドをすることにもつながるのだすが・・・)

SWOT分析で、頭の中を整理し、「重点集中項目」がハッキリすることは、経営者自身のモチベーションアップにも大いに貢献することになります。

 

4,SWOT分析から分かる事

弊社のこれまでの400以上のSWOT分析指導では、どういうことが具体的に分かり、経営戦略に反映してきたのかを整理しましょう。

こういう具体的な成果が出るのも、弊社のクロスSWOT分析コンサルティングです。

本当のSWOT分析を反復連打で経験していない理論家ではこの神髄やノウハウは分からない

⑴事業の選択と集中が分かる⇒ムダな投資や戦力分散を防げる 融資の為の経営改善計画書の根拠になる

⑵重点商品・重点顧客・重点販促の対応策が見える⇒自社の「集中投資すべき重点先」が見えてくる。独自性、USPの明確化

⑶新規事業参入の可否判断が分かる⇒今ある「強み」を活かしたシナジー発揮可能か分かるので、リスキーな新規事業への参入を防止できる。成功確率の高い新規事業に判断

⑷止める戦略、撤退すべき事業・顧客・商品が見える⇒重点を決めるという事は非重点を決めて減らす事を言う。減らす為の段取りが見えてくる。撤退縮小のリストラ戦略が明確に

⑸その企業独自の経営戦略が見えてくる⇒同業他社とは違う経営戦略や逆張りの戦略などの立案につながる。自社のアイデンティティや独自性

⑹金融機関へ提出する「経営改善計画書」の根拠戦略が出せる⇒何故収益改善ができるのか理論的に商材や戦略が説明できるようになる。銀行説得材料として

⑺事業再構築補助金などの各種補助金申請時の事業計画書の根拠になる⇒今後発生する補助金の事業計画の説明がしやすくなる 事業計画書の根拠として

⑻中期ビジョン・中期経営計画の立案時の独自戦略ができる⇒今後自社が生き残る為の道筋が見えて、将来のイメージが沸く。自社の未来像の決定

⑼新商品開発時のコンセプトづくりができる⇒新商品のコンセプトがマーケティングや自社の強みから導き出せる。商品開発会議での開発議論のベクトル合わせ

⑽新規開拓・アイテムアップ時のキャンペーン内容を決める時⇒強みを活かした新規開拓戦略や深耕開拓戦略が企画立案できる キャンペーンの特典などのアイデア

⑾経営承継期の後継者時代の「稼ぐ戦略」のコアを決める時⇒後継者時代の経営戦略のカタチが見えてくる。先代との違いや独自性を出す

⑿「強み」や「独自戦略」を自社ホームページや採用ページに掲載し、「他社との違い」を見せつける事で新卒や中途社員の採用につなげる⇒独自性や明確な強みをホームページ等でPRすることで、求職者や学卒者にアピールできる 「強み」と「独自性」は人材採用にも大きくプラス

⒀役員幹部の戦略思考を育成するツールとして、幹部研修のテーマになる⇒内部要因と外部環境をバランスよく分析できる事でジュニアボード(青年重役)や経営幹部の研修に使える。 ロジカルシンキングや顧客起点の発想につなげる研修

 

5,間違いやすいSWOT分析

しかし、巷間、間違ったSWOT分析が横行しているのも事実。

間違ったSWOT分析を経験した経営者や幹部は「SWOTなんて効果なし」と思っているはずです。

効果のない間違ったSWOT分析を指導するコンサルタント、税理士の存在だけでなく、社内で行うSWOT分析でも「表面的な分析」になりがちなのはどうしてか、整理してみましょう。

⑴クロス分析がないSWOT分析

 さすがに最近はクロス分析のないSWOT分析をしている事業所や指導しているコンサルタントはいないかもしれません。しかし、以前までは平然とSWOT分析は「機会」「脅威」「強み」「弱み」をそれぞれ箇条書きで整理するだけと思っていた人がいたのも事実です。

改めていうことでもないが、SWOT分析は外部環境と内部要因を掛け合わせて、最適な戦略を導き出す分析ツールです。

「積極戦略」「致命傷回避・撤退縮小戦略」「改善戦略」「差別化戦略」が具体的に生まれないなら、取り組む意味合いも薄れてきます。

⑵教科書通りSWOTの順番で進める愚

SWOT分析だからと言って、「強み」「弱み」「機会」「脅威」の順番で検討を指導する方もいますが、深い議論と潜在的な対策を導き出すなら、弊社では下記の流れで指導でしています。SWOT分析は広く浅くするとあまり効果がない事を多くの方は分かっていません。

241019_SWOT順番.jpg

そして、ダメなSWOT分析と効果的なSWOT分析の一番の違いなのですが、SWOT分析の成否を決める基準は「コーチングメソッドを使った深堀質問による経営者・幹部自らの具体策発見」にあるということです。

弊社が何故「中小企業SWOT分析の第一人者」と言われ、財務局講師や京都大学経営管理大学院EMBAの教材にまでなっているのか?

それはこの「SWOT分析コーチングメソッド」があるからです。

この手法を学びにこれまで300を超えるコンサルタント、税理士等が弊社に学んでいます。

逆に言うと、SWOT分析コーチングメソッドを使えない、指導者のSWOT分析は少々疑問だということになります。

SWOT分析コーチングメソッドについては下記に弊社の参考記事があります。

https://www.re-keiei.com/blog/swot/2047-swot-153.html

 

 

6,SWOT分析の活かし方

では、SWOT分析、クロス分析をした後、ここから得た知見や経営戦略を活かしていくのか?

SWOT分析から独自の経営戦略や新商材の開発販売、マーケティング対策が導かれます。

それをベースに「根拠ある経営計画書」「商材根拠のある経営改善計画書」に展開していきます。

そこで多くの方は、「積極戦略でそれなりの対策が出ても、それを収支計画に紐つける事はできるのか?」と疑問に思っているはずです。

そこがクロスSWOT分析の「積極戦略」の中身のあり方や誘導の仕方次第なのです。

このノウハウや実務指導のスキルがないと、所詮SWOT分析は総花的なものなっていくだけです。

「根拠ある経営計画書作成手順」については下記に弊社の参考記事があります。

https://www.re-keiei.com/blog/swot/1637-2022-04-04-01-17-14.html

経営改善計画書だけでなく、もっと前向きにSWOT分析から「強みを活かした中期ビジョンづくり」に展開していきます。

下記に「「中期経営計画書」につなげるSWOT分析からの展開を具体的に紹介した弊社の参考記事です。

https://www.re-keiei.com/blog/swot/1510-2021-08-18-22-24-28.html

 

RE経営がおススメする、2つの中小企業のSWOT分析ノウハウの電子書籍が無料でダウンロードできます。

●中小企業のSWOT分析完全習得マニュアル 

https://www.re-keiei.com/free/report-002.html

●17社の「クロスSWOT分析」から出た経営戦略 事例 

https://www.re-keiei.com/free/report-019.html

 

SWOT分析、根拠ある経営計画書作成のついてご相談される方は下記のメールにご相談内容を書いて送信してください。

こちらのページもいかがですか?