部下の離職率が違う2人の部長のマネジメント

同じ事業所で、同じ業務で、同じように課題を抱えている部門があり、それぞれに2人の部長がいます。年齢は5歳位違いますが、どちらもベテランです。人間的にも信頼感が持てる人格者で、普通に見れば、甲乙つけがたい部長たちです。

ただ、部下の退職者数が違うのです。この事業所は介護施設。介護職員の離職問題は業界に課題であり、退職者が出ているA部長も、A部長が悪いとばかりは言えません。低賃金、重労働で業界の構造的な問題もあります。たぶん、A部長は他の介護施設でもそこそこのマネジメントはできると思います。私が個人的には、このA部長は好感を持ってます。

では、退職者が少ないB部長はどうか?

決してB部長の元に、「辞めない部下」が集まった訳ではありません。B部長が徹底しているのは、職員とのコミュニケーションです。A部長も指示命令、報告連絡は徹底しているし、業務上のコミュニケーションはやっています。ただB部長のコミュニケーションの基本は、B部長が指示命令を出す前に、部下に考えさせる質問をし、部下の答えが妥当だと、良く褒めます。

A部長は、A部長自身が業務に精通し、A部長に判断は的確で部下からの信頼が厚い、いわば誰もA部長には物申す部下はいないのです。従って、A部長は指示命令が中心のコミュニケーションです。仕事があまり上手く行かない職員や、抱え込んでしまった職員が退職していきます(病気や家族の都合、収入以外の原因で)B部長もA部長と同じく、長年のベテランで業務の精通しています。

でも、部下の参加意欲、部下の発言と言う点では、B部長に軍配が上がります。

部下に考えさせる質問をし、部下が的確な判断ができるように誘導する、そして良い回答なら褒める、この単純なコミュニケーションでB部長の部門では、病気、家族の都合、収入以外の退職がわずかです。またB部門では、そういう雰囲気づくりをB部長がしたので、職員同士の助け合いや和気あいあいとしたムードも手伝っています。

強いリーダーシップは、ここぞという時に必要ですが、日常は部下中心のマネジメントが良いように思います。これがコーチングの基本のようです。我々はB部長から学べることが多そうです。

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