赤字脱出のフローステップ

赤字脱出のフロー(流れ)

赤字から脱出するには、闇雲に行動するだけでは、かえって傷口が大きくなる可能性があります。その為、しっかりしたステップを踏んで対策を打ちだします。そこで大事な事は、「仮説と検証」です。ここでは、赤字脱出のフローステップと具体的なノウハウを紹介します。

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自社の現状を把握

(1)赤字の原因を掴む

  1. 不採算事業・・・該当項目のSWOT分析を行なう
  2. 不採算商品・・・該当項目のメリット対比を行なう
  3. 不採算顧客・・・該当項目のメリット対比を行なう

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(2)ムダな経費・削減可能な経費の洗い出し

  1. 原材料の使い方
  2. 外注費に払い方
  3. 現場経費の使い方
  4. 物流費に使い方
  5. 仕入の仕方
  6. 人件費のカット対策
  7. その他経費のカット対策

       ↓

      科目別にどこまで縮減可能か数値を出す。不採算事業や商品、顧客を切った場合の経費メリットを出す

 

分析結果、仮の損益予測を立てる

(1)今後の売上・粗利推移を立てる

  1. 売上は、不採算商品や不採算顧客を計画通りに切った場合の予測
  2. 商品別・顧客別にこの2ヵ年で上昇曲線か下降曲線か、横ばいかで数値を出す。
  3. ここで希望的観測を入れない。経費削減策が甘くなるから。
  4. 原価・仕入はムダ削減の対策を入れた金額にする。
  5. しかし、原価高騰や仕入アップの予測も入れる。

 

(2)今後の経費推移を立てる 

  1. 各種対策を入れた数値を出す。
  2. 不採算カットに伴い、経費負担が増えるものも入れる
  3. 経費カットは、即効果が出ないものも多いので、現実的な数値を入れる。
  4. 増える可能性のある経費も入れる。

    ※年度経営計画数値と対策表を参照

 

黒字転換にむけた今後の方針・戦略を固める

 
(1)黒字転換のロジックツリー(理論展開)

  対策に盛り込む方針 具体的な行動策と削減金額
赤字事業からの撤退 赤字顧客のカット又は絞込み    
赤字商品のカット又は絞込み    
赤字部門の撤退又は縮小    
赤字社員(問題社員)の退職    
赤字同族の退職    
利益率の改善 材料費の削減又はVEによる工夫    
外注費の単価カット又は外注業務の見直し    
品質管理の徹底で手直し、クレームの削減    
値上げ交渉の具体化    
付加価値をつけて新価格の提案    
固定費の削減 役員報酬の見直し    
退職補充なし    
システム、ルールの見直しによるコストカット    
各経費の見直し(管理可能経費から上位5つ)    
間接社員の直接業務の多能工化    
「義理欠く」「恥かく」「見栄欠く」の大鉈対策    
3K経費の見直し(広告費、交際費、交通費)    
売上改善策 重点顧客への重点アプローチ    
ローラー作戦やPR作戦(パンフのDM等)    
販促経費をかけて新規客の確保    
販促経費をかけて既存客の掘り起こし    
紹介キャンペーン等の期間重点運動    
ネット販売の挑戦    
セミナー販売の挑戦    
展示会販売、FAXDM販売の挑戦    
在庫処分とセット販売、キャンペーン    
新規開拓キャンペーン    
管理対策で売上改善 個別原価(商材別・顧客別)と貢献利益を出し、利益責任を公表    
先行管理の導入で3~6ヶ月先の受注対策を決める    
決定事項の「見える化」でやらざる得ない仕組みを作る    
役員から臨戦態勢の模範を示す    
個人別目標設定と公開    
役員別の目標設定と公開    
決算テクニック(単年度だけなら効果があるもの) 減価償却費の計上調整    
期首に減価償方法の変更による調整    
固定資産の価値を高める修繕的な支出の資産計上    
定款変更で営業外収益を売上に計上し営業利益のかさ上げ    
棚卸資産の評価方法の変更で利益の計上    
経営者の土地を賃借から借地権を雑収入として計上    
経営者の会社への貸付金の債権放棄による、債務免除益を計上    
会社が経営者から借りている借金を現物出資の形で資本金増額(債務超過の回避)    
税法限度額以上の交際費を貸付金に振替える事で経費削減が出来、利益計上    
ずっと昔からある土地の含み益を計上    
前払い費用(保険や金利、クルマの諸経費等)を厳密に計上する    
役員報酬を期中に削減しても赤字の場合は実害なし(大赤字から小さい赤字にするだけ)    
未払費用を上げない(極端に変えない場合)    
決算月の発生する経費を翌期に回す    
消費税の未払いを立てない(税込み場合)    
将来の為の経費(開発、調査、試験等)を経費計上せず、繰延資産に上げる    

※長期的な対策ではなく、先ず『止血』をして、当面の黒字化を図る・・・・決算テクニックを使用した場合、「翌期にしっぺ返しあり」

(2)黒字転換の対策が入った損益計画を作成

  1. STEP2の『仮の損益計画』をベースに、黒字化対策を数値化して入れる
  2. エクセルで「経営数値と対策連動表」を作成する
  3. 売上の予測を立てる
  4. 赤字顧客や赤字商材のカットを減収要因として計画に入れる
  5. 「赤字事業からの撤退」項目は、減収、経費削減、又は除却損もある場合もある。(実質的な人件費削減は年間計上せず、半期計上にとどめる)
  6. 「利益率の改善」では、多くが2年位掛かるテーマである(開発費等の経費計上は即発生する)
  7. 即効性のある「利益率の改善」は、値上げ交渉と外注政策の見直しである
  8. 「固定費削減」は人員リストラ以外、即効性がある。人員リストラの伴う経費削減は、当初経費。アップするので用心が必要(割増退職金や採用経費等)
  9. 「売上改善策」で即効性のあるものは、販促経費をかけた「セミナー販売」「FAXDM販売」「紹介キャンペーン」「セット販売キャンペーン」等である。
  10. 「管理対策で売上改善」は、目標公開する事で組織風土が変わり、業績改善の可能性が高くなる
  11. また、「利益貢献度の公表」は計算方法に若干の時間は掛かるが、意識は高まる。

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