後継者教育は何が効果的か

経営者の最大の悩みは「後継者育成」です。特に同族だと感情面が出て、なかなかうまくいきません。そして中小企業の経営者は「後継者育成」について、あまりにプランがなく、また知識藻不足しているのが現状です。だから、ありきたりの後継者育成手段に走りますが、そこにはいろいろな誤解がある訳です。

1、後継者研修に行かせればよいという誤解

コンサルタント会社や商工会議所、中小企業大学などが、いろいろな「後継者教育プログラム」を用意しています。私自身も21年前までは、前職のコンサルティングファームで後継者塾なるものの講師をしていました。今でも、複数の会計事務所で「後継者塾」の講師をすることもあります。しかし、これらは単発又は1年程度の期間限定の物で、実学ではなくやはり座学ですから、知識としては少しは効果的ですが、『行かないよりは行った方が良い』レベルです。

2、JCで学べばよいという誤解

これには経営者の中にも賛否両論があります。地域に経営者人脈ができ、いろいろな方とのふれあいで磨かれるというメリットは相当大きいです。しかし、一歩間違えると、本業よりJCに現を抜かし、従業員から総スカンを食らったり、飲み会が多い事で体を壊したり、はたまた夜のお付き合いが多い事で家庭不和になり離婚した人 等々デメリットもたくさん聞きます。要は本人の意識次第である事は言うまでもありません。

3、とにかく現場で社員以上に働くことという誤解

後継者が従業員の範となる事は正しい事です。しかし現場で汗水ばかり垂らして、経営の知識、外の付き合いなど、会社を俯瞰してみるべき後継者が、「現場しか知らない」では、大変まずい事になります。特に、経営承継計画、経営戦略、組織戦略を考えていくうえで、「無知」は「ダメ後継者」のレッテルを貼られる可能性があります。

4、いきなり社長室長など上空から組織を見らせる誤解

帝王学の教育なのか、経営者は従業員とは違う人種だと言いたいのか、現場経験もさせずに、いきなり経営の中枢や社長の秘書的な業務に従事させる方がいます。現場で従業員と汗水垂らす経験をして、現場も声を聴き、従業員から信頼されることほど、大事な事はありません。どんなに経営学的な知識があっても、「人の心」が分からない後継者はそのうちしっぺ返しを食らいます。やはり段取りを踏んで経験させる事です。

5、一番の教育は「会社の歴史と経営判断の成功失敗の事実」を学ぶ事

後継者育成で一番大事な事は何かと聞かれれば、それは「会社の歴史とその時々の経営判断の成功した理由、失敗した理由」を整理し、「行動規範・判断指針に沿った経営をする後継者を育てる」事だと考えます。

事実、これまで長年、経営承継顧問をしていますが、後継者の暴走や判断ミスは先代経営者の教えを身につけてなかったり、判断の基準や指針を持ってない場合が多いです。その時々に流行りに乗ったり、コストばかり考え、従業員の心理を無視したり仕入れや外注先に一方的な要求とか、顧客への対応の間違い 等々これらは「判断基準や指針がないから、感情的な判断や軽率な行動」で失敗する訳です。

後継者がいろいろな経営判断の場面で、参考にする考え方を明確にすることこそ重要な後継者教育ですね。これなら、どの企業でもコーディネーターさえいれが、できるはずです。そのコーディネーターが、経営承継可視化コンサルタントです。

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