2026.2.23 経営の魂を次世代へ繋ぐ「幹部役員行動規範18か条」策定

企業の持続的成長において、避けては通れないのが「事業承継」と「次世代リーダーの育成」です。
しかし、形だけの引き継ぎでは、長年築き上げてきた企業文化や強みは簡単に失われてしまいます。
先日、調剤薬局チェーンの経営顧問先の役員会において、後継者および現幹部陣が指針とすべき**「幹部役員行動規範・行動指針(18か条)」**を策定いたしました。
今回は、この策定においてどのようなプロセスを経て、経営理念、現社長、役員の価値観を後継者と一緒に検討し「生きた行動」へと昇華させたのか、その舞台裏を公開します。
1,原点回帰:経営理念と経営者の「価値観」を解剖
行動規範を作る際、多くの企業が陥りがちな罠が「どこかで見たような立派な言葉」を並べてしまうことです。
しかし、それでは人の心は動きません。
私たちが最初に行ったのは、徹底的な**「原点回帰」**でした。
⑴理念の「行間」を読む
この経営理念には、現経営者の創業からの想いや、数々の危機を乗り越えてきた際の判断基準が凝縮されています。
まずは役員全員で、この理念が「具体的にどのような行動を指しているのか」を改めて問い直しました。
「患者第一」とは、単に要望を聞くことなのか?
それとも、患者が気づいていない課題を指摘することなのか?
経営者が大切にしてきた価値観、つまり「譲れない一線」を言語化し、役員全員で共有する時間を十分に持ちました。
⑵価値観の棚卸し
現経営者が無意識に行っている判断には、独自の「クセ」や「哲学」があります。
これらを「暗黙知」のままにせず、「形式知」へと変えていく作業です。
この段階で、抽象的だった理念が、少しずつ「体温を持った言葉」へと変わり始めました。
2,今の時代に求められる「幹部役員」の条件を定義
次に着手したのは、**「今の、そしてこれからの幹部に必要な条件」**の整理です。
ここでは、過去の成功体験に縛られることなく、変化の激しい現代において役員が果たすべき役割を、役員会メンバー全員で出し合いました。
⑴理想の幹部像を「30のキーワード」で出す
「責任感」「変革」「部下育成」「数字への執着」など、先ほどの経営者の価値観や経営理念から思いつく限りの条件を出し合いました。
ここで重要だったのは、経営者だけでなく、役員幹部一人ひとりが「自分たちはどうあるべきか」を主体的に考えたことです。
特に後継者の声を重要視して、意見に対する背景説明を求めました。
⑵現状と理想のギャップを直視する
「今の役員幹部に足りないものは何か?」という、時には痛みを伴う議論も避けませんでした。
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変化を恐れ、前例踏襲になっていないか
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部門最適に走り、全体最適を忘れていないか
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部門後継者を育てることに、本気でコミットできているか
リラックスしたの中でも議論を重ねる中で、幹部が守るべき「伝統」と、これから取り入れるべき「革新」のバランスが明確になっていきました。
この「自分たちで定義する」というプロセスこそが、規範に命を吹き込む重要なステップとなります。
3,18か条の内容
これらの意見をGeminiで調整してもらいました。
プロンプトにはインパクトのある語気のル強い表現を求める為、賛否両論ある「電通鬼の十訓」のような表現を参考にするよう指示しました。
その結果が下記です。
調剤薬局チェーン 役員行動指針:魂の18箇条
■ 圧倒的な実行スピード
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【スピードこそ最大の誠意】 異変は即日動け。1週間で真実を掴み、2週間で現場の景色を塗り替える実行力こそが役員の誠意である。
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【現場に神は宿る】 報告書を疑え。役員自ら足を運び、現場の汗、薬の匂い、患者の声を五感で刻み、真実に基づき判断せよ。
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【「なぜ」の深掘り】 絆創膏を貼るだけの対策は捨てろ。「なぜ」を5回叫び、問題の根っこを力ずくで引き抜く本質解決を貫け。
■ 組織を繋ぐ信頼のパイプ
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【謝罪できるリーダーの誇り】 部下への失言や過ちは即座に詫びろ。己の非を認め、頭を下げられるリーダーだけが、仲間の心を動かせる。
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【情報は組織の血液】 情報は鮮度が命。現場の呟きも顧客の怒りも、役員間で「今すぐ」熱いまま共有し、組織の目詰まりを防げ。
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【ボヤのうちに消し止めろ】 「小さな嘘」や「些細なミス」を放置するな。大火事になる前に、誰よりも早く声を上げる勇気を持て。
■ 現場への愛と投資
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【現場を孤立させるな】 現場の悲鳴を無視するな。改善に必要なカネとヒトは、迷わず最前線に注ぎ込み、共に戦う姿勢を示せ。
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【現場を守る情報の盾】 法改正の荒波から現場を守れ。最新知識を武器に変え、現場が迷わず進める道を指し示す灯台となれ。
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【社員の未来への投資】 社員は「コスト」ではなく「宝」だ。彼らの成長に投資し、共に未来を創る喜びを経営のエネルギーにせよ。
■ 揺るぎない経営の軸
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【損して得取れ、信頼を積め】 利益の前に「安全」がある。目先の金に目が眩んだ時、会社は死ぬ。一生モノの信頼という資産を積み上げろ。
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【鋼の意志と理性的判断】 情に流され組織を腐らせるな。冷徹なまでの客観性を持ち、会社と社員を最後まで守り抜く決断を下せ。
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【セクショナリズムを破壊せよ】 「担当外」は禁句。全社の痛みを自分の痛みとし、仲間の窮地には真っ先に駆けつける「全員経営」を体現せよ。
■ 患者と地域への誓い
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【自らが変化の爆心地】 誰かの指示を待つな。常に「今、俺に何ができるか」を自問し、自らがエンジンの回転を上げる源となれ。
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【患者の笑顔が唯一の北極星】 全ての答えは患者の利益にある。迷った時は「それは患者のためか?」と自らの魂に問い、正解を導き出せ。
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【選ばれ続ける覚悟】 「近所の薬局」で終わるな。在宅、連携、専門性。地域に無くてはならない唯一無二の存在へと昇華させよ。
■ 100年続く誇りのために
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【誇れる職場を死守せよ】 疲弊した手に患者は救えない。社員が家族に「ここで働けて幸せだ」と胸を張れる環境を、命懸けで整えろ。
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【地域の守り神として立て】 地域包括ケアの要として君臨せよ。私たちの存在そのものが、この街の安心感そのものだと背中で証明せよ。
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【正義を貫く高潔さ】 不正で得た1円に価値はない。短期の利益より、100年先まで語り継がれる「正しい経営」の誇りを選べ。
4,組織に魂を吹き込むこれからの運用
午後いっぱいを使った議論とキーワードを整理・統合し、最終的に磨き上げられたのが**「幹部役員行動規範 18か条」**です。
⑴18か条に込めた「納得感」
多すぎず、少なすぎない。
一つひとつの項目が、役員会で出た具体的なエピソードと紐付いています。
例えば、『【現場を孤立させるな】 現場の悲鳴を無視するな。改善に必要なカネとヒトは、迷わず最前線に注ぎ込み、共に戦う姿勢を示せ。』という一項目があります。
この議論の中で出た「調剤薬局の中で相談する相手もいない環境では孤独になりがちは薬剤師に最大限の配慮をしないと離職になる」という危機感が背景にあります。
完成した18か条は、単なるルールブックではありません。
それは、私たちが「この会社をどう導いていくか」という決意表明であり、後継者への道標でもあります。
⑵作って終わりではない「運用の始まり」
行動規範は、額に入れて飾るためのものではありません。
これからは、この18か条をベースに以下のような運用を行っていきます。
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役員会、幹部会での議論の暴走阻止: 会議での判断に迷ったとき、常にこの18か条に立ち返る。
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幹部評価への導入: スキルだけでなく、行動規範に基づいた振る舞いができているかを評価の指標とする。
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後継者教育の教科書: 次世代のリーダーに対し、なぜこの18か条が必要なのかを、策定の背景にある「想い」と共に伝えていく。
おわりに
今回、役員全員で行動規範を作り上げたプロセスそのものが、最強のチームビルディングになりました。
経営理念を軸に、全員の意識が一つにまとまった感覚。
これこそが、事業承継を成功させるための確固たる基盤になると確信しています。
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