事業承継前後の経営計画の根拠はSWOT分析

事業承継特例税制を提案しようと、多くの会計事務所や金融機関がセミナーを実施し、顧問先や融資先に提案しています。しかし、どこも同じような内容です。税理士から「特例税制」の提案を受けた知り合いの経営者から、こんな話を聞きました。「相続税が軽減されるのはありがたいが、その後気の遠くなるようなモニタリングもあるし、申請書を書くのも結構大変だよね。それに、その申請書に「承継後の経営計画」を書く欄があるけど、ここが一番大事だよね。だって、承継後の業績不振やつぶれるようなことがあったら元も子もないしね。でも、税理士もそこのところは言ってくれないんだよ」と。

1、経営戦略を指導できない会計事務所は、時代遅れ?

経営計画ソフトを使って、資金繰りや利益などの数値だけで経営計画作成をしている会計事務所がほとんどです。ローカルベンチマークを使って、数値の詳細比較をしても、やはり「数値分析」の域を出ません。その目標利益になる為の売上の根拠、現在ベースとの差額対策などの商材戦略、マーケティング戦略などは、「会計事務所はタッチしなくてもよい」「戦略なんて、門外漢で自分に分からない事は言わない方が良い」と、思っている職員が多いのも現実です。

しかし、一部の会計事務所では「経営戦略にも強い事務所」を目指して動いているところも増えています。でもまだまだ少数派です。だから差別化もできるのですけれど。でも、既に経営戦略を指導を「強み」にしようとしている会計事務所から言わせると、旧態依然の会計事務所の数値分析のみの指導は、「時代遅れ」だと喝破します。

2、事業承継後の経営戦略を指導できないと、関与先は満足しない

事業承継特例税制の申請書の中に「承継後の5か年経営計画」を記載する欄があります。こここそ、まさに現社長も後継者も関心のある箇所です。しかし、この中身を素通りしたり、関与先任せの抽象的な表現で終わらせると、この事業承継計画自体への興味が減るかも知れません。目標売上や目標利益を達成する為の「具体的な根拠」が、経営戦略です。しかも、その関与先の実情、経営者の思いを冷静に分析し、「実現可能かつ差別化・独自化につながる戦略」を導きだすサポートが必要です。「その分野は経営コンサルタントの仕事であり、自分たちのフィールドではない」と割り切る時代ではなさそうです。

3、SWOT分析を武器に、新規関与先開拓をする会計事務所

これから開業する税理士、既存の会計事務所の在り方に一石を投じたい若手の会計士の中には、「経営戦略に具体的に関与する」姿勢を鮮明にしている方もいます。この経営戦略をサポートするには、ツールが必要です。私のセミナー受講者やネットワークの会計事務所関係もこぞって「SWOT分析メソッド」を、事務所の看板ブランドとして挙げているところも増えてきました。武器がなければ、経営戦略支援の進め方に法則性と再現性ができません。思い付きの経営戦略コンサルティングほど、危ないものもありませんから。

4、事業承継の提案は「SWOT分析による経営戦略」から

そこで、事業承継の提案時に「後継者時代に勝ち残るための独自戦略と中期計画を先に議論しましょう」ということにします。考えてみれば、承継後の経営の安定化なくして、相続税も経営者退職金もない訳です。ここで現経営者と後継者が共に、議論して「未来戦略」を決めることをサポートする為に「SWOT分析」の機会を作るのです。

承継後の「未来戦略をSWOT分析メソッドで支援」と言うなら、他の会計事務所とも差別化できると思います。

「未来会計」という言葉を使う会計事務所は多いですが、「未来戦略があっての未来会計」なのに、「未来戦略」が抜けている事務所は多いものです。今こそ、SWOT分析メソッドを使って、「未来戦略」にも強い会計事務所を目指しませんか?

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