危機の中で思考停止する経営者

SWOT分析、KPI監査、事業承継見える化コンサルタントの嶋田です。

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経営者の中には八方塞がりや強い危機感が一気に押し寄せると、思考停止する方が少なからずいます。

危機の時こそ、経営者はフルに頭と体を使って打開策を打ち出し、積極果敢に「攻め」なければならないのに。

普通に考えれば、「やばい状況」を放置していれば、更にヤバい状況になるには目に見えているし、他の役員や幹部、社員も誰もわかっていることです。

なのに…

今回のコロナ禍での業績悪化、一時的なゼロゼロ融資の返済と新規融資の難しさ、原価エネルギーコスト高騰、人材流出、賃上げ圧力、値上げ不発等々、

まさに6重苦と言っていいでしょう。

経営者だから、どんな状況でも打開策を見出さなければなりません。しかし

 

何故、危機の時に経営者の中には思考停止する人がいるのでしょうか?

私が独立した25年前は中小企業もリストラの嵐でした。

リストラのコンサルティングや経営再生支援もかなり手掛けました。

そんな時「思考停止する経営者」が少なからずいたのです。

1,問題点があちこちから噴出すると判断ができない

普通の能力のある経営者なら問題点がどんなに多重に起こっても、優先順位を決めて一つ一つ解決しようと取り組みます。

しかし、能力のない経営者は目先の噴出している問題の弥縫策に明け暮れ、何ら前進しません。

優先順位は目先の解決策ばかりで、これから起こる課題や先々の課題には眼を閉じます。

だから、いつまでたってもビジョンや経営戦略へ取り組めないのです。

「判断力の欠如」は、経営者として致命的です。

経営とは判断の連続です。

ビジョンや経営計画があるからそれに沿って判断ができるのです。

ある意味、頭が回らず「判断から逃げている経営者もいます。

危機の時に頼れない経営者は、本来経営者であってはいけないはず。

どんなに課題が大きくても、資金対策が見えなくても、人材流出が後を絶たず先々が不安でも、心配ばかりして、何も行動しない経営者」は確実に倒産廃業へ向かいます。

 

2、上手くいかない理由を他責にする

思考停止の経営者には、経営危機の責任や重大問題の責任を役員幹部に転嫁して、責めるだけの経営者もいます。

「すべての企業での責任は経営者」にあるはずです。

しかし、経営会議や役員会を開くと役員幹部に他責しているのです。

アイデアや打開策が役員幹部から出ないと、どんどん責めていきます。

かと言って、経営者自身からアイデアや打開策は出ません。

これは役員幹部を責める前に、そういう体質を作った経営者の責任です。

もしかしたら「こんな経営者に何を提案してもムダ」と思って、口をつぐんでいるのかもしれません。

 

3、精神論、抽象論で鼓舞する

経営危機時にいくら「やる気論」や「ガンバリズム」を鼓舞しても組織は動きません。

必要なのは5W2Hの具体策です。

なのにその具体策が分からず、精神論や抽象論をや経営会議や役員会でまくしたて、無駄な時間を費やす経営者が多いのです。

経営危機の段階での精神論・抽象論は逆効果です。

眼の前で家が焼けているのに、「熱くない。心頭滅却すれば火もまた涼し」なんてことより、早くバケツの水や消火器を用意することです。

また、火を消しながら消火後の対策も同時に具体的に考える事です。

危機時に精神論・抽象論をいう経営者はやはり思考停止状態と言わざるを得ません。

 

4,思考停止したら書き出し、図にする

思考停止状態になった時は、いろいろな考え方や段取りが頭の中を錯綜しているのです。

何が事実で、何が無理で、何を犠牲にして、何を優先すべきか整理がつかなので、行動も思考も止まっているのです。

だったら、箇条書きに課題を書き出し、体系図でもしましょう。

私たちが経営危機の課題を整理する時に使うのは「特性要因図」と「ロジックツリー」です。

特性要因図はQCでも活用されている有名な論理整理法です。

 

ロジックツリーは2つの書き方があります。

一つは、「Whyロジックツリー」

これは原因を何回も深掘りしていく作業です。

ここで大事なことは「どこまでも物理的理由」を追求することです。

途中で人間性」とか「人手不足」とか「やる気欠如」とかの「属人的」な原因を上げると、途端に解決策が遠のいていきます。

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もう一つは、「Howロジックツリー」

具体的な原因究明で、不足している対策が決まったら、次にそれをどう実行するか、小さく落とし込んでいくものです。

問題点を小さく分類することで、今必要な具体策や行動が見えてきます。

200813Howロジカルツリー.jpg

西洋の格言に「解決策が分からないのではない。問題が分からないだけだ」というのがあります。

どんなに考え込んでも、具体的な一歩を踏み出さない限り、問題の整理も進展もありません。

「思考停止状態」の経営者がいれば是非論理的に原因と課題、そして具体策を本人の口から言ってもらえるようコーチングを進めたいと思います。

 

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