中小企業でも勝てるニッチ市場の見つけ方

SWOT分析本来の目的は、『可能性のあるニッチ市場に、自社の強みをぶつけて、業績上げたり、先行優位な状況を創ること』です。

しかし、ニッチ市場を見つけない事には、どの強みがどう使えるかも分かりません。また、そう簡単にニッチ市場なんか見つからないと多くの方は思っている事でしょう。

 元来、ニッチ市場とは、企業側が探して探して見つかる事よりも、ある日突然、お客様からの要望があったり、またそれに応えようとする最中に、いろいろな情報筋から「もしかして、これってニッチかも?」を気づく出来事や可能性に引っかかることが多いようです。しかし、そんな偶然をいつまでも期待する事はできません。「果報は寝て待て」と悠長に構えている状況ではないはずです。そこで、SWOT分析の「機会分析」の出番です。もともと、SWOT分析は戦略につながるマーケティング分析の一つですので、ニッチ市場を探りあてる検討方法としてはとても有効なのです。

 それでは、ニッチ市場を見つけた企業は、どういう議論をしているのでしょうか?SWOT分析の使い方と連動して考えてみましょう。

 大企業のマーケティング分析にしても後付でいろいろな解説書が出ていますが、恐らく当事者は、最初から論理的に儲かると確信して開発したり、市場攻略したケースはそう多くない筈です。一般に言われるように「仮説検証」を繰り返す中で、掴んだのだと思います。

 大事なのは、その「仮説」をどう見出すかです。

 ニッチ市場を見つける仮説を立てるには、真正面から正攻法で議論してもなかなか出て来ないかも知れません。基本的には、現在の顧客のニーズから入ります。しかし、現在の既存客のニーズ(今の商品や取引形態)に答えるだけでは、売上アップやシェアアップには多少有効ですが、ニッチ市場を見つける事は難しいでしょう。何故なら顧客は、今の状況をベースとしたニーズですから、「価格対応」「納期対応」「品質対応」「迅速フォロー」等の、言われなくても分かっているテーマを上げてきます。

 そこで、仮説を立てるなら、こちらからテーマを絞り込んだニーズ調査が必要となります。実は、このテーマを絞り込んだ仮説づくりに役立つのが、私たちが提唱している「機会分析30のタラレバヒント」です。

 「タラレバヒント」とは、 もし、○○したら、どんな見込客のどんなニーズに応えれれるか もし、○○すれば、お客様がどんな状況で活用するだろうか もし、○○を提供したら、このゾーンの顧客層が当社を認知し発注する もし、こんな機能を付けたら、こんな使い方をすのでは・・

等々、「もし○○したら…」を考え、この○○を実現する為に、自社の「強み」を多面的に見出すのです。

 この「もし○○したら…」は、荒唐無稽な事を言うのではありません。今の顧客の動きやニーズをベースに考えます。

 いくつか仮説を見出すヒアリング実例を見せると私たちのSWOT分析コーチングメソッド、「機会分析」30のタラレバヒントには「顧客の不便さの解消につながる商材やサービスは、どういう点を強調すれば販売増が可能か」と言うヒアリングポイントがあります。

 徹底して顧客の不便箇所、あれば誰がどう良くなるか、それが購入に至る要素になるかを議論します。これまで中小企業の商品開発はほとんど、顧客やユーザーの意見から生れています。この意見を聴きだすノウハウがある企業は、この質問にはいろいろな意見が出てきます。しかし、このの議論は、「その意見に対応した商品で利益はでるのか」と逆質問が出ると、途端に議論がストップします。しかし、現に顧客が不便を感じている事は、必ず商機になるので、しっかり議論して欲しい個所です。但し、「単なる不便=購入」と言う公式通りには行きません。不便が及ぼす利益損失を超えるメリットが、その商品やサービスにないと振り向いてくれません。

 次に「敢えて「無料」「フリー化」を進める事で広がるビジネスはどんな事が考えられるか」というヒアリングポイントがあります。

 この質問は私がほとんどの場合、必ず行います。「無料だと儲からない」「無料にすると有料にできない」と反論されますが、「無料の目的」さえ明確なら断行すべきです。一般に無料とは、「新規客・見込客の募集」が目的であり、無料提供は経費のみが出ます。しかし、そのおかげで新たな顧客との出会いがあるのだから、これは結果的にコストではなく、投資扱いになります。あることを無料にする事で、違うニッチ市場のニーズをつかむ場合もあります。

 このように、「機会分析30のタラレバヒント」を駆使して、可能性のあるニッチの仮説を立てることも、SWOT分析ならではのメリットと言えます。これまで多くの事業所でこういう検討会をして来ましたが、本気で考えればいろいろな仮説が出てきます。その仮説と検証を数回行ううちに、「これが当社が狙うニッチだ」と陰ながら自信を深めるものです。

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