キャリアパスをヤル気に直結させる裏ワザ

職員の本当のモチベーションアップの考え方を見直しませんか?

介護施設では介護職員の処遇改善交付金を申請したところも多いかと思います。その条件にキャリアパスなどの計画があるかどうかが入っていますが、言葉だけの対策でお茶を濁している施設も多いのではないですか?


 「キャリアパスによる職員のモチベーションアップ」を考えるなら、最低限必要なことがあります。それは、「キャリアアップの内容」と「報酬」、「自尊心をくすぐる」ことが連動しておかねばらない事です。キャリアアップの内容とは、各職種に必要な職務レベルを等級別の具体的に明記する「職能要件書」のようなものです。これは、もっと上の等級を目指すには、どういう実務レベルの技能や専門性が必要なのかを整理したものですから、分かり易いマニュアルのようなものでも構いません。よく「職能基準書」のような、各等級の基本的な職務基準を、「職能要件書」と誤解している人もいすが、あくまでも、職能要件書とは、かなり具体的な作業別・行動別・管理別の必要動作が書かれているものです。

 これを作成する最初のアクションに「等級別職務基準」が必要になっていきます。すなわち「職務基準」とは、各等級に求めるガイドラインのような大まかな範囲と理解してよいでしょう。より上の専門性や技能を磨けば、当然それに相応しい報酬が求められます。この報酬は一般的には、「等級が上がれば職能給等の本給が上がる」とか「職能手当のような本給外の手当が上がる」ことを指します。たまに、「病院や施設の収支が芳しくないから。あまり本給を上げたくない」という法人があります。しかし、これではキャリアアップを目指す職員はいなくなりますし、組織風土も活性化しません。もし、人件費を抑えたいなら、賞与か何かを業績連動すべきです。キャリアアップは、月給に連動させるのが必須条件だと思います。ただ、法人によっては、キャリアが上がっても、そう多くの報酬増が期待できない場合もあります。確かに本給はあがるけど、上がり幅が少ないケースです。その場合、やはりキャリアアップの目標を報酬増だけの単純方程式では、やる気にはなりません。

 そこで、「自尊心をくすぐる」仕組みが必要になります。「自尊心をくすぐる」とは、自他共に認められることを指します。たとえば、自衛隊では紋章で職位が分かります。病院でも以前ならナースキャップに線が入って入れば、主任か婦長さんか分かるような事です。これは本人や仲間だけでなく、第3者が見れば直ぐ分かる事で自尊心につながる「職位の見える化」と考えられます。たとえば、バッジや腕章、何らかの見える表示で『等級別に色を変える』なども一つの対策といえましょう。こういう物は好きではないと公言する職員もいますが、実は内心まんざらでもない人もいるのです。他にも「自尊心をくすぐる」には、「昇格辞令の全員前での公開」「昇格による昇給の全員前での公開」などもあります。各職場に風土の合わせた「キャリアアップの内容」「報酬」「自尊心をくすぐる対策」を検討してみてはいかがでしょうか。

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