賞与には悪かった出来事と事実をフィードバック

病院や介護施設の人事評価をコンサルティングしていると、評価が曖昧で、「良いことも言わないし、悪い事も言わない」オブラートに包んだ表現を好む管理職が多いとつくづく思います。何故、ハッキリ言わないのですか?

と聞いても、

「本人だけのせいではない場合は責められない」

「下手に問題点を指摘して、今後の人間関係が崩れるのが怖い」

「陰で上司批判されると収拾がつかない」

「その結果、辞められては元も子もない」等々

こんな答えが返ってきます。

本当は、管理職も「あの点はあなたのマイナス点です」とハッキリ言いたいのですが、それを敢えて曖昧模糊にしているというわけです。しかし、最近の傾向のように、「良い点を伸ばそう」とばかりにダメな点に蓋をしても、本人の為ではありません。部下の自分勝手、自己本位な言動や行動は、誰かの迷惑になっています。それを是正するのがリーダーの役目ですね。

1.この評価期間のマイナス要素を本人も上司も忘れてる

実際の評価時に、プラス出来事、マイナス出来事を整理しようとしても、上司も本人も忘れている場合が多いです。直近の事ならお互い覚えていますが、5カ月前の事は思い出せない。すると感覚的に「人事考課項目」の関連項目の箇所で、何となく低めに点数をつけたりします。(5段階なら2点など)しかし、それを聞かされた部下は、「何が悪くて2点なのか」と具体的に行ってほしいと思っています。何故なら、本人自身も忘れているので。 

2.アクシデント、インシデントだけではない、マイナス要素の事実を列記

アクシデントやインシデントなら、報告書などの文書が残るのでお互いが覚えています。しかし、実際にはそこまでトラブルにはならなかったが、問題行為や非認識行為の結果のマイナス出来事は多々あります。例えば

  • 本人の不注意によるヒヤリハット。しかし誰かが気づいて事なきを得たこと
  • 一人でけじめをつけられず仲間の具体的な応援や支援で、事なきを得たこと
  • 積極的に行った失敗ではなく、消極的にやらなかった事でのトラブル
  • 期限を守らない仕事の結果  等々

こういう事は、日々起こっているのに、「記録」がないから、お互い忘れがちです。マイナス出来事は、レッテルを張るのではなく、「悪いことは悪い」と部下に認識して貰う為に必要なことなのです。 

3.マイナス出来事をフィードバック

実際にマイナス出来事を、発生日、状況、背景、担当を面談などでフィードバックをする時、大事な事は「評価のマイナス為のフィードバック」ではないという事です。本人に気づきを与え、再発防止の意識を高める為にフィードバックをします。だから、聴き方としては、「〇月〇日、□□が起こったよね。その背景は△△だったけど、あの事は貴方としては何が原因だと思う」と、原因を何回か聴き、自分の今後の行動対策を本人に言わしめることです。

特に、マイナス出来事のフィードバックは、責任回避や他責にする人が多く、また自責と思っても、精神論で「以後気をつけます」位しか言わない人もいます。具体的なマイナス出来事を、本人原因の追求をしっかりする事で、評価点自体を下げるというよりは、本人の認識レベルを上げることが大事になる訳です。

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