部下の質問に即答しないリーダーが人を育てる

長年、病院・介護施設でコンサルティングをしていると、「間違ったリーダーシップ」を自らとっているのに、『部下が育たない』と嘆く管理職リーダーがいます。彼らの日頃の部下指導の実態を研修などで検証すると、だいたい下記のようなリーダーが圧倒的に多いですね。

  1. 部下からの問い合わせ、質問には即答えを教える
  2. 部下のやり方が自分のやり方と違うと、すぐ修正するよう指示する
  3. 部下が間違ったことをしていると、理由も聞かず叱責する

これらのリーダー管理職のスタイルは、「部下が育たない」ということを全く意識してないのでしょう。「即答えを教える」「即自分のやり方を指示する」発想を転換する必要があります。

1、即答するから、部下が考えない

どんなにマニュアルを整備しようが、研修を経験しようが、一つとして全く同じ現場トラブルや課題はありません。職員の現場での適正な判断力の有無が重要になってきます。しかし、マニュアル通り、上司の指示通り動く部下は、この現場での判断力が育ちません。部下が困って質問したり、解決策を上司に聞いてきた場合、即答せず、部下自身に考えさせる習慣をつけるべきです。

2、考える部下・自発性のある部下を育成する「コーチング会話」

自分の頭で考えて、自分なりの解決策をもって、上司に聞く部下を育成するには、日頃からどんなマネジメントをすべきでしょうか。それは「コーチング会話」を上司が意識し、緊急場面以外で、習慣化させることです。「コーチング会話」とは、コーチング理論を日頃の会話に使うことです。一番違うのは、「上司も部下も着座して、じっくり面談」というスタイルではありません。忙しい医療介護の現場で、じっくり個人面談が取れる時間も機会もそう多くありません。朝礼やミーティング、カンファレンスでも、そんな悠長な時間は取れないですよね。

3、効果的な「立ち話コーチング」

コーチングにもいろいろなパターンがあるでしょうが、私が医療介護の現場のリーダー育成にお勧めしているのが「立ち話コーチング研修」です。これは廊下ですれ違った際の普通の会話をモデルにしています。わずか3~5分のSessionのロープレを何回も繰り返します。

廊下ですれ違った際、部下から「主任、〇〇が起こっています。どうしましょうか」と何気ない会話から始まります。

普段だったら上司は、「じゃあ、〇〇しといて」と答えるところを、「立ち話コーチング」では「〇〇が起こったんだね。それでAさんはまず何をすべきだと思う?」と即答せず、逆質問します。

すると、部下が自分の意見を言うか、無言になるかです。無言になったら、「Aさん、起こった原因を時系列で教えて・・」などと、部下が答えやすい質問を多用し、どんどん部下に話させます。そして、適切な答えを導き出させ、上司はそれを承認するというものです。 

4、どんな部下でも答えを持っている

リーダーや管理職の中には、「うちの部下は考えないんだよね」とか「与えられたことしかしない、指示待ち族ばっかり」なんて愚痴をこぼす人が少なくありません。それは上司が部下の考えを聞き出す能力が欠如しているからです。それが新卒であれ、無口な職員であれ、皆何らかの意見と事実を知っているはずです。

リーダー管理職は、コーチングをベースとして、即答せず「質問力」を磨くことが重要なスキルだと最近、痛感しています。「立ち話コーチング」をいろいろな病院や介護施設で研修をしますが、即効性のある研修として、高い評価を頂いています。あなたの職場でも考えてみては?

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