報告連絡相談の漏れがなくなるチームの作り方

医療介護の現場であれ、一般の企業であれ、組織運営の生命線が「報告連絡相談」略して「報連相(ホウレンソウ)」だと言われています。多くの部門やチームでその重要性がわかっているはずなのに、その漏れや遅延が原因によるヒヤリハットやトラブル、事故が枚挙に暇が無いほど起こっています。

では、何故「報告連絡相談」の漏れや遅延が生じるのでしょうか?

その根本原因に、問題の解決策が潜んでいます。順不同になりますが、「報告連絡相談の遅延と漏れ」が発生する要因には、以下のことが考えられます。各ケース別に対応を整理していきます。

 

そこまで重要(または緊急性が高い)とは思わなかったと言うケース

これは認識の違い、経験の違いから発生する「自覚不足」が原因のホウレンソウの漏れです。ベテランでも陥ることがあるので、日ごろから啓発すべきです。当然、患者や利用者の生命に関する事は、誰でも第一義にする事でしょう。しかし、それ以外の事では何が重要か、緊急度が高いかは、その法人や部門の方針や目標によって異なります。

たとえば、「患者利用者の家族の要望」を優先的に考える組織なら、家族からの会話から、即反応すべき事を意識するでしょう。従って、日ごろの指導から優先順位の高い項目を伝え、またホウレンソウの漏れや遅延があれば、適時適切に、即指導する事が求められます。

 次の作業に忙殺されてついつい忘れてしまったケース

これも良くあるケースです。決して本人に悪気があった訳でも職務怠慢が理由でもありません。こういうケースを撲滅するには、「その場でメモる」習慣が必要です。手のひらや甲をメモ代わりにして書いているケースも見ますが、見た目も良くありませんし、衛生上疑問もあります。そこで、小さな手帳や付箋を持ち歩き、その場で書く習慣をつける事が必要です。私たちは忘れる動物なのですから。

誰かが報告してくれると思い、自分がしなかったケース

複数が担当した場合によく起こります。これはいたって簡単です。その複数の中での一番の重責者が「誰がどうする」と指示すればいいのですが、これも忘れたり、本人に意識が欠落していると、そんな簡単な事も出来ません。そこで、毎回『誰が報告するか』を決める習慣をつける為、指示した時に担当を明確にさせるよう徹底させることです。

記録やイントラネットにしようと思っていたが、スピードを逸してしまったケース    

物事の間違いを防止したり、多くのスタッフに情報共有させようと、記録やイントラネットに記入する事が ありますが、スピードが必要な報告連絡の場合は、そういうルートを無視してでも、「迅速性」を優先する事が求められます。まずは、口頭報告して、その後記録帳やイントラネットを心がける必要があります。

正直、あの人には苦手意識があり、自分でなんとかしようと思って報告しなかったケース    

報告すればいろいろ文句や叱責を言われたりすると、そういう上司への報告は疎遠になりがちです。でもそれは、職員の個人的な感情を優先したレベルの低い発想といわざる得ません。プロとして、上司に対してどんな苦手意識があろうとも、そういう私的感情は封殺してもらわねばなりません。私的感情を優先して、トラブルなれば、それこそ患者や利用者に対する「職業人としての倫理観の欠如」というそしりは免れないことだと思います。

報告はしたが、大事な情報を伝えそびれてしまったケース  

報告内容の事実を優先せずに、自分で加工修正したりすると、重要な報告が抜ける事があります。報告は自分の見解をいれずにすべて事実を報告させるよう厳しく指導しなければなりません。「口数が多くて、言葉が少ない」人は、特に要注意と言えます。

 

「良い組織の条件」に一つに、「報告連絡相談」のレベルが、「迅速・細心・正確か」どうかがあります。組織活動の基本であることを十分認識させましょう。

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