クライアントから低料金で振り回される関係性から脱却

今、コンサルタント業界は都市も地方も二極化が進んでいるようです。それは「高価格路線」と「低価格路線」です。当然、目指すは「高価格化路線」ですが、なかなか「低価格路線」から抜け出せない人も少なくありません。そこで、今回は「低価格路線」で、且つクライアントから振り回されて、「貧乏暇なし」状態に陥っているコンサルタントへの打開策をご紹介します。

1、高価格コンサルタントはブランディングがある

先ず、高価格が実現できるには条件があります。それは「ブランディング」が確立している事です。既存客から紹介をされても、「あの先生は〇〇円以下は受けないですよ」とか「あの先生なら、〇〇万円は覚悟した方がいい」と。

それでも紹介をくれるということは、最初から相手は費用について覚悟があるということになります。コンサルタントの「ブランディング」とは、

  1. USP(独自のウリ部分、ある小さな分野を尖がらせる)
  2. 公開できる実績数 経験数
  3. メディア露出、出版実績(これが強い)
  4. ブログ、SNS(良いコンテンツを提供し続けているかどうか)
  5. コンテンツの無料ダウンロード(USP分野のコンテンツを無償提供しファンを持つ)
  6. セミナー開催(USPに直結したセミナー開催とそれをYouTube動画で公開)
  7. YouTube動画(USPの特定コンテンツを定期的にアップし、メルマガやブログで紹介)

などで、決まります。正直言えば、実績数がなくて、大したスキルもなくても、③④⑤⑦があれば、知らない人も「ブランディング」を感じてしまうということです。まあ、それがこの業界が「胡散臭い人が多い」と言われるゆえんですが。

いずれにしても、新規に対して「高価格」をイメージさせ切るのはこの当りがあるかどうかです。しかし、中身のない「高価格路線」コンサルタントは、クライアントが継続しません。高価格で毎月コンサルティングを数年以上続けている事はそのコンサルタントに実力がある証拠です。それも1社や2社ではなく、数年以上経験が10社以上あれば本物でしょう。そういう人は、実績面、経験面でも「既存客に認められるブランディング」ができていますね。

だから、私はそのコンサルタントの実力は「顧問継続期間とリピート」で判断されると思う訳です。ここでのポイントは「高価格路線」で数年以上続く事です。低価格で、いかに長期経営顧問が続いても、「惰性」や「人間関係」「いれば安心の保険」みたいな関係性であり、具体的な貢献度は?です。とにかく、「高価格で数年以上続くコンサルタント」「高価格の研修やプロジェクトでも何回もリピートされるコンサルタント」はそれ相当の力があるということです。

2、未来が拓けない「低価格路線」のコンサルタント

一番、問題なのは「低価格なのに、クライアントに振り回されて、貧乏暇なし」に陥っているコンサルタントです。私たちの価格に対する基準は、「時間単価」で見ています。例えば1回5万円のコンサルティングでも、訪問指導時間、移動時間、準備時間を含めても3時間以内なら、時間単価約17,000円なので、悪くはありません。仮に1回10万円の顧問料を貰っても、所要時間が12時間も掛かれば、時間単価が8,000円ですから、それは「低価格路線」と言われます。(クライアントは10万円も払っているから低価格とは思ってないかもしれませんが)

要は、「低価格路線」のコンサルタントは、時間単価が低いのです。そして、低価格しか払えないクライアントは零細企業の経営者や、ちょっと価値観がおかしい経営者が相手の場合が多くなります。すると、低価格なのに、電話やメールで、いろいろな依頼をしてきます。自分でできる事も、「コンサルタントに振ってしまえ」とばかりに。すると、コンサルタントは調査や執筆などの「眼に見えない時間」が取られ、ますます時間単価が下がっていくわけです。

3、クライアントから振り回される低価格コンサルタント

料金が安いだけなら、仕事を効率化し、先方へしっかり躾けをしていけば、時間単価は確保できます。問題は先ほども言ったように「コンサルタントを振り回すクライアント」です。しかし、多くのそんなコンサルタントを見てきましたが、クライアントが悪いのではなく、コンサルタントが仕向けていない事が多いのです。そこに共通した特徴があるようです。

それは、クライアントに「忙しい売れっ子コンサルタント」と言うイメージを持たせていない事です。

  1. クライアントから電話が来ても、即出ない。
  2. クライアントの要望の日時に、すんなり合わせない(コンサルタントの日時に合わせるように持って行く)
  3. 休日や夜間は緊急以外に電話にでない
  4. メールやLINE、メッセンジャーの返信を直ぐにしない

と言うのが一般的です。しかし、そんな事が本質ではありません。大事な事は「訪問面談時」「会議時」にしっかり決め込むコンサルティングをする事です。曖昧なコンサルティングをしていると、クライアントはイチイチ確認の連絡を取ってきます。「低価格なのにいつも振り回される」事は絶対避けなければなりません。

4、低価格でも効率が上がる「コンサルティングパッケージ化」

そうは言っても、コンサルタント起業したての方や、住んでいる地域特性などから「零細企業の経営者」「個人事業主」中心のクライアントしかいないという場合もあります。そこで、先ほども言ったように、「毎月5万円、3万円でできるコンサルティングパッケージ化」をして提案します。

所要時間、するべきコンサルティング実務、クライアントがする事、コンサルタントがする事などをあらかじめ、「見える化」し企画書にします。所要時間を超えた場合、企画書以外の依頼の場合のオプション料金も先に説明します。そうすることで、低料金でもしっかり、成果の上がるコンサルティング実務に集中していくわけです。このパッケージ化があれば、1日2~3社のコンサルティングができ、1日10万円以上の収入も可能になります。

5、低料金、多頻度要望クライアントは切る、断る勇気を持つ

低料金で多頻度要望のクライアントは、言葉を変えれば「コンサルタントの付加価値を認めていない」と同義語と言えます。もし役に立っているのなら、もっと高価格で、おカネがないならそれなりの敬意をもって接している筈です。低料金、多頻度要望クライアントがまずいのが、それに時間を取られている間、他の営業開拓や企画の時間が取れないということです。

また、そんな低料金、多頻度要望クライアントに限って、コンサルティングの日程変更を平気で言ってきます。すると、他にクライアントとの調整が必要になり、迷惑をかけてしまいます。そういうことをいろいろ考えると、どんなにその低料金、多頻度要望クライアントがいい人でも、やはり距離を置いたお付き合い、料金を明確にしたお付き合いをしないと、コンサルタントの未来が拓けなくなります。従って、「解約をこちらから申し出る」「値上げができないなら断る」を実行に移さざるを得ません。そして、その間の収入ダウンを我慢して、標準料金での顧客開拓に注力します。

どれも難しい判断ですが、どこかで改革しない限り、この料金体制はずーっと続きます。クライアントの整理とブランディングを同時に行う事ですね。これをやるのは、この2~3年です。2020年以降、全国に不景気風が吹きだしたら、それどころではなく、値下げ要求が吹き荒れるのではと予測しています。今が、チャンスです。

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