番外編 息子の就活 「会社選びは逆張りで」

先週の日曜日に、再度息子と就活戦略検討会を実施した。息子は「経営コンサルタント会社」を就活ターゲットにすることに腹が決まったようだ。ただ、まだ3年生の夏ということ、在京の大学ではないことから、いまいち、真剣みが薄いとも感じたが。それでも、今後の戦略は大事だ。そこで、どんなことをアドバイスしたかと整理する。

「ブラック企業」で学べ

学生はブラック企業を敬遠する。また社会もブラック企業に対して厳しい。しかし、息子が目指す「経営コンサルタント業界」は、私の経験則から言えば、ブラックそのものだと思う。時間は不定期、休日はクライアントの研修、やっと取れた休日休暇も自己啓発や学習、遊びや買い物をしながら市場状況を見る、残業は規制されても在宅作業は当たり前・・・

恐らく、ブラック企業のカテゴリーではコンサルタント会社には十分な要素が入っている。そこで、息子に言ったことは「ブラック企業で学べ」と。すると息子は「えー、ブラック企業なんて嫌だ。なんでブラック企業を目指すの?」と。私の答えは

「ブラック企業になるには理由があり、ブラック企業で働く社員がどういう精神でどんな苦労や課題があるか、目の当たりすることはコンサルタントとして重要だ。何故なら、お前が目指す中小企業経営コンサルタントは、そういうブラック企業が多い企業ばかりだから。だったらきれいごとではなく、リアルな体験をすればそれだけ、経験とコンサルティングのスキルも磨かれる」と。

すると息子は「でも、ブラック企業に入って心も体もガタガタになったら、元も子もない。先輩でブラック企業と知らずに入って、メンタルで退職した人が何人もいる」と

私は「お前はメンタルにはならない。なぜなら元々独立するための修行として、いろいろなことを吸収する為にあへてブラック企業に入るのだから。目的を持たず、社内の人間関係や負担感に苦しむと人はメンタルにでも、身体面でも不調が出る。しかし、最初から「辞めるつもりで、経験を吸収するつもりで行う仕事への取り組みならそうはならない。人は期限のない苦しみ、逃げ場のない苦痛が続くことで、おかしくなる訳だ。」と。

これを聞いた息子は「敢えてブラック企業に入る理由が分かった。中小企業の社長になる為だから当たり前だよね。」

私は「そうだ、世間はブラック企業の内容や社内事情やメンタルに侵された社員の適性や仕事の質のことは差し置いて、企業側の問題ばかりあげつらう。しかし、経営コンサルタントは、『なぜそうなのか」「組織の何がそこまで追いやったのか」「誰に何が原因だったのか」と冷静に診る必要がある。空気や一般論は違う視点を持たないといけない」

将来構想と合致しないコンサルタント会社

 仮に新卒で入社した経営コンサルタント会社がブラック企業でも構わないが、そのコンサルタント会社が、今後の独立に際して十分な条件を満たしてない場合は、選択しないように指摘した。それは将来構想とリンクしないからだ。

将来構想とは

  1. 九州で独立開業。いずれ地元に帰り、父の会社を継承する
  2. 中小企業中心のコンサルタント会社にする
  3. クライアントとは長期信頼関係のビジネスモデル

である。事業内容はいろいろ変化してもいいが、どこに住むかは、相続や墓の問題などであらかじめ親子で取り決めをしておいた。そういう構想から、当てはまらないコンサルタント会社が浮き上がった。

例えば

  1. 大企業中心のクライアントへのコンサルティングが多い会社
  2. 業種限定のコンサルタント会社(歯科専門、飲食専門等)
  3. コンサルティングで収入を得てない会社(システムや物販がメインでコンサルティングが補助)
  4. コンサルタント育成指導ノウハウのない会計事務所系コンサルタント会社
  5. 教育研修中心のコンサルタント会社(経営顧問ではないモデル)

こういう条件で、コンサルタント会社をピックアップして、まずは訪問して情報を収集するように指示した。まだまだ始まったばかりで、最終的にコンサルタント会社に就職するか絶対ではないにしても、戦略の絞り込みは徐々に進んでいるようだ。

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