③看護師・介護スタッフの離職防止を図る経営の仕組み

離職を未然に防ぐ労務管理システム

(1) 定期面談によるカウンセリングで事前兆候の察知

  1. 「辞めたい」と感じる時の兆候を把握する…毎日注意して職員を診る
  2. 給与評価面談、賞与面談等の公式の面談を実施
  3. たまに一緒に食事や休憩を取る
  4. カウンセリングとは「部下に話させるように、傾聴し、感情の受容、共感」を進める事
    • 「どう感じる」「その時、どう思った」「きついよね」「大変だよね」と感情に訴え掛ける質問を中心に行い、心のテーマを聞き出す。
    • 急いで、改善の為の具体的な行動へ展開させるような誘導よりも、感情に沿う形。
    • ある程度、話をするようになったら「どうしたらいいかな」と相手に考えさせる。
  5. 面談は ティーチング(指導)であってはならない
    • 指導的、教導的面談では、「辞めたい気持ち」の職員の心は開かない。
    • 仮に辞めたいと言う意思表示があっても、「辞めさせない為の話」ではなく、「辞めたい部下の立場」で聞き込み、一緒に「辞めなくて良い方法」を考える事。 

(2) 達成感は「1つに絞った具体的な患者利用者満足度と感謝の言葉」があればよい

  1. 職員の行動で利用者患者が喜んだ事実を具体的に話す…自分が役立っている事の事実
  2. 職員の行動で他の職員が喜んだ事実と恩恵を受けた職員からの感謝のフィードバックの習慣化

(3) カイゼン活動で、「職場を楽にする工夫」と「褒められる職場づくり」

  1. 職員の負担軽減のアイデアを出してもらい、可能な限り「前向きな手抜き」を奨励する
  2. カイゼンのアイデアで少しでも成果があったら、皆で褒める。とにかく「認め合う」チームにする

(4) 給与が原因で辞める場合の対策…月給と賞与、諸手当の考え方

  1. 下手な成果主義、能力主義よりも、長期の生活安定化策へ、従業員の意向は変化した
  2. 年功序列をベースとした、職能主義が今後の主流。
  3. 「月給は生活給であり高く支給、賞与は成果次第で変動」がこれからの基本
  4. 本給増を押さえ、家族手当等を厚くし、子育て支援を明確にする(子供が巣立てば一気にその分は下げられる。本給を上げると、賞与も退職金も影響し、余程の理由でない限り下げられない)

(5) 管理者へのコーチング研修の徹底

  1. コーチング、カウンセリングの研修を管理者全員(上層部も)に経験させる。
  2. 研修期間の終わりには、職員から無記名アンケートを取り、コーチング技能がはっきされているかチェックし管理者へフィードバックする。

(6) キャリアプランと給与が連動するシステム

  1. 「キャリアプラン(何年経ち、どういう技能や経験を積めば、どういう職位や給与になるか)」を作成する。
  2. そのキャリアプランに沿った給与体系を整備する。

(7) 他の職員に迷惑を掛ける問題職員への厳正な対処…評価

  1. 普通の職員が辞めたくなる原因づくりをしている「悪影響職員」を具体的に指導する。
  2. 「悪影響職員」は、本人は「悪い事をしているつもりはない」「言い方がきついだけ」と言う意識が多く、自覚症状がない。
  3. それでも管理者は事実を伝えて改善を要求する。その結果次第で評価を明確に付ける。
  4.  本当に問題職員なら「始末書」「懲罰」等の具体的な指導を行う。

(8) 有能な職員、若手職員を「ご都合主義」や「手駒」のように使わせない

  1. 特定の職員に、持続的な負担感を強いていないかチェックする。
  2. 文句言う職員には強要せず、聞き分けの良い職員に面倒な事や負担感のある事が集中していないか。

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