公開SWOT分析の副次効果

これまでも、人前で「リアルSWOT分析」現場を何十回も実践してきました。公開SWOT分析とは、リアルの経営者、幹部を招き、複数の会計事務所職員(監査担当)の前で、実際にヒアリングしながら、SWOT分析の「機会」「強み」「弱み」「脅威」を固有名詞で箇条書きに埋めていき、クロス分析である「積極戦略」「致命傷回避撤退縮小戦略」「改善戦略」「差別化戦略」を聞きだし、整理しながら表現していきます。

多分、そういうリアル現場を会計事務所職員が見ることは、あまりないことだと思います。つい先日もSWOT分析スキル検定マスターコンサルタントの会計事務所で「公開SWOT分析」をしてきました。

1、「公開SWOT分析」が最高の実地研修

当社が主催している「SWOT分析スキル検定」では可能な限り、ロープレを実習に入れて学習して貰っています。しかし、「ロープレ」と「実践」はまったく異なるものです。何故なら、「すみません。最初から良いですか」「ちょっとタイム」などとは言えず、緊張感があるのが「実践」です。座学やロープレではなんとなくイメージは湧くが、「実際のところは?」と多くの受講者が思っています。この「公開SWOT分析」は、本当の中小企業経営者と幹部を招き、その企業の為にリアル戦略を捻出する訳です。

先方もわざわざ時間を取って参加している以上、いい加減な結果を出す訳にはいきません。また、会計事務所の本当の関与先が多いのですが、下手なSWOT分析をすれば、会計事務所とその関与先との信頼関係にも影響します。そういう緊張感にある中で、「公開SWOT分析」は進んでいく訳です。これをオブザーバー参加している監査職員は、「これが実際の現場なんだ」と座学では味わえない感動と緊張を得るのです。

2、実際の議論が止まった時、どうしたか?

SWOT分析検定の受講者が気にしているには、「議論が止まったらどうしよう」「変な反対意見で議論が壊れたらどうしよう」といろいろ心配されるようです。「公開SWOT分析」ではそういう場面が複数回訪れます。しかし、場数が多い私たちは、これといって困ったふうでもなく、慌てず、次の展開を用意します。それが「ファシリテーション技術」です。

議論が止またら「シンキングタイムといって、個人で書かせる」そして「横同士で統一意見をださせる」、そして統一意見を発表しそれをシートに記載していきます。こういう基本的なスキルを実際に使うことが大事だし、その場面を実際に見た職員は「先生に言っているファシリテーション技術はこうやって使うのか」と感じたはずです。

3、参加者の視線をモニター・プロジェクターに釘付けさせる

私たちの「公開SWOT分析」はどんな場面でもPCとモニター又はプロジェクター投影をし、「聴きながら、日本語に置き換えながら文字入力」していきます。200以上経験のある私たちでも。「モニターなし」「プロジェクター投影なし」では、まともなSWOT分析は無理です。「公開SWOT分析」でも、モニター、プロジェクターに経営者や幹部の視線を釘づけにして議論し、ヒアリングし、文字入力するから、徐々にまとまっていくのです。こういう検討会では参加者全員が共通の見る箇所のない「議論の空中戦」が、一番の問題です。

4、相手はこちらの想定通り答えてくれない

「公開SWOT分析」でも、経営者、幹部はこちらの想定質問通り、応えてくれません。むしろ、話があっちこっちに飛び、「機会」を聞いているのに、いつの間にか「弱み」を言ってしまったり、「強み」を言っているはずが「弱み」ばかりと相手は自由なんです。しかも、相手が話す内容を「今聞いてるのは、機会なので、それは弱みですから再度機会をお願いします。」なんて言おうものなら、一気に場がしらけて、議論が止まります。

だから、相手には自由に話してもらい、こちらは適切な質問をして、適切なフレームの箇所に書き込むだけです。こういう融通性が「ファシリテーション」には重要です。今回の「公開SWOT分析」もそんな場面が多々ありました。しかし、終わってみると、「機会」「強み」「弱み」「脅威」「積極戦略」の欄がそれなり埋まっており、経営者が改めて気づいた固有名詞の「積極戦略」が5つ並んでいる訳です。

5、「公開SWOT分析」から経営計画、アクションプランまで5時間

「公開SWOT分析」で積極戦略が5つできました。それを体系図にまとめ、3か年の中期収支計画に落とし込みました。「積極戦略」ででた商材対策や、仕掛け、新規開拓、新商品をおよその単価を個数を考えさせて、目標売上や粗利に入れます。すると、「現状の実績業績」と「目標売上」の差額対策がリンクしてきます。このリアル感を見た職員は「こんな理屈があった経営計画の根拠は見たことがない。だから、経営者が納得するんですね」と感動していた。ただ、いかに経営計画の根拠が明確になっても、この対策を実行しなければ成果はでません。

そこで最後の時間に、積極戦略で生まれた5つの対策のアクションプランを1つだけモデルとして作成しました。後は、この流れに沿って、監査担当者に作成してもらうよう宿題にしました。

「公開SWOT分析」は、SWOT分析スキル検定マスターコンサルタントにしか提供できないサービスです。しかし、リアルロープレは中級検定でも結構経験できます。是非、ロープレでも良いので「リアルSWOT分析」を経験し、模擬場数を増やす事が大事ですね。

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