従来型の事業モデルでは借換の「返済ができる経営行動計画書」が書けない

SWOT分析、KPI監査、経営承継可視化コンサルタントの嶋田です。

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コロナ融資に据置期間終了に伴い、コロナ借換保証を利用する企業は多いと思います。

いざ返済が始まる矢先の2022年に原材料インフレが始まり、収益率が悪化したわけです。

しかも、2023年になっても不安要素ばかりで、「通常の経営も厳しいのに返済どころではない」というのが本音でしょう。

そこで、政府からの救済措置として「コロナ融資借換保証」があるのでしょう。

しかし、これには金融機関の伴走支援と「経営行動計画書」の提出が条件になっています。

ところがこの「経営行動計画書」の中身次第では金融機関からもダメ出しが出る可能性が高いのです。

1,従来型の事業モデルの計画書で返済計画が信じられない?

「経営行動計画書」はフレームに沿ってどうとでも書けます。

しかし、この中身が従来型の事業モデルの延長線上で「企業努力で頑張ります」と言っても、金融機関もどう信じればいいのか?

今までもそれなりに一生懸命に努力してきたはず。

原材料インフレをどう言い訳しても、収益改善が進んでないのは事実。

これからの金利上昇局面や高止まりする原材料コスト、エネルギーコストそして更にアップが必要な人件費を考えると、「今の事業モデルでどんなに一生懸命に頑張ってもダメなのでは?」と思われるのは自然な事。

「経営行動計画書」には抽象的な対策と「根拠なき売上・収益計画」で返済ができるような厚化粧をすることでしょう。

しかし、弥縫策の「経営行動計画書」では、もう金融機関も黙っていないと思います。

いかに保証協会付きの借換と言っても。

 

2,コスト削減もこれ以上無理では?

売上が上がらない、粗利も上がらない、するとコスト削減をすることになります。

しかし、多くの中小零細企業には余分な贅肉はもともとないし、役員報酬もこれ以上下げたところで、経営者の生活が成り立たなくなるところもあります。

実際にコスト削減どころか「原価アップ」「人件費アップ」「エネルギーコストアップ」「諸経費アップ」が更に進むのが2023年です。

だから、コスト削減で収益改善を図ること自体に無理があるのです。

むしろ、普通に事業をしていてもコストが上がるし、新たな事をすれば初期投資のコストも上がります。

実はインフレ型の不景気は「コストアップは避けられない」のです。

 

3,ビジネスモデルを変える気持ちが見えない?

ここまで言うと、もう通常の事業モデルでの「一生懸命頑張ります」には信ぴょう性がない事ははっきりしてきます。

やはりビジネスモデルを変えない限り、復活が難しいということです。

ビジネスモデルを変えずに、通常努力を選択した中小零細企業は恐らく「退場」を余儀なくされます。

しかし、この「ビジネスモデル改革」って、何をどうしたらいいのか分からない経営者は多いものです。

弊社ではビジネスモデル改革には以下の10のポイントがあると定義しています。

 

⑴顧客ターゲットの改革(新たな顧客、周辺顧客、関連顧客)

⑵市場・地域の改革(地域外、オンライン、海外)

⑶取扱商品の改革(新商材、関連商材、周辺商材、独自商品)

⑷売り方・マーケティングの改革(代理店、直販、通販)

⑸商流の改革(仕入直結、顧客直結、マーケティングプロセス変更)

⑹造り方・設備の改革(内製化、外作化、SPA(製造小売)、自動化)

⑺収益構造の改革(商品別・顧客別比重、原価構造、固定費構造)

⑻ストックビジネスへの改革(既存顧客活用ビジネス)

⑼DX、IT、AIを活用した脱人海戦術への改革

⑽他社との業務提携での改革(各種提携とリソース拡大)

このビジネスモデル改革は主に「既存の強み」を活かした「クロスSWOT分析」で導き出す事が多いのです。

 

4,抜本対策とはどんな計画になるのか?

ではこのビジネスモデル改革を入れた抜本対策を中期計画に入れたとします。

すると2つの事を同時進行で進める事になります。

一つは既存事業の急激な減少抑制策、

もう一つは、新たなビジネスモデル改革の具体策の推進です。

ちょうど、日系自動車メーカーがEVの開発やシフトしつつ、化石燃料自動車の開発の同時進行しているようなもの。

つまり超忙しいし、売上は下がるのに、ダブルでコストが発生するという異常事態です。

しかし、ビジネスモデル改革をするとはそういう事です。

急激なビジネスモデル改革にシフトすると、既存の売上が激減し、一気に資金繰りが悪化します。

すると追加融資を金融機関にプロパー融資として依頼しなければなりません。

信用保証協会の借換融資をしている最中ですので、もう信用保証協会保証付きは不可能に近い。

だから「絶対に徐々に売上減少のソフトランディング」をするしかありません。

そして同時進行として「新たなビジネスモデルでの収益づくり」を3年で黒字化する計画を立てます。

つまり「経営行動計画書」の最初2年間は減益又は赤字幅が広がる事も予想しておきましょう。

それも金融機関に伝え理解をもらう事です。

 

このコロナ融資の「ゼロゼロ融資」が始まった時、このような事態になることは分かっていました。

しかし、事業再構築補助金で新分野にチャレンジしている企業がまだいいほう

そういう努力をせず、ただただじり貧を待っていた中小零細企業は本当に淘汰される事でしょう。

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