間違ったコスト削減・不正を隠す組織にしない経営の歯止め策

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今回のコロナ不況で業績が低迷すると、多くの企業はコスト削減に走ります。

適切な範囲のムダ削減なら構いませんが、目先のコストの為に品質に影響する部材や仕組みにまで手を付ける企業が増えてきます。

しかも経営者の知らないところで。

これまで製造業・建設業の経営顧問の経験が多いので、こういう課題が発生しないように常々経営者と協議してきました。

しかし、昨今の重要部品の強度不足のデータ改ざんや品質偽装によるマンションの傾き等、本来はあってはならない事が起こっているのです。

今、特に注意しないといけないのは、コロナ不況でいたるところでコスト削減が進むうちに「確かな品質維持で長期の信頼作りよりも、短期のコスト削減で将来に禍根を残す品質問題」が水面下で起こる可能性が高い事です。

1、目先のコストダウンより高くつく品質問題

仮にいつも使っている部品や業者ではなく、低価格の業者の部品に切り替えたとします。

通常は品質チェックや分析試験にしっかりと時間をかけて、切り替えに入ります。

しかし、コストダウン圧力が強いと、その試験分析をほどほどの切り上げ、早い段階で稟議を上げて投入するようになります。

品質保証部門がいろいろ指摘しても「上層部のコストダウン圧力」という大義名分の前には、「品質よりも組織の都合が優先」されるのです。

しかし、これまでの製造業のデータ改ざんや社内不正などが発覚しメディアに取り上げられた後は、長期で且つ膨大なコストの発生と、何より信用失墜というイメージダウンが起こります。

 

2、組織が品質よりコストや偽装を優先する理由

それはTOP層のものの考え方や日頃の言動を忖度した現場責任者が行うわけです。

しかも品質をチェックした現場が「このスペックは問題があるのでやめた方が良い」と提言しても、上司から

「もっとコストを下げろ」

「そんな悠長に分析する時間はない」

「直ぐに事故なんて起こらないだろう」

「上の指示に背くのか」

等と詰め寄られれば、渋々従うしかないのです。

しかもその上司も更に上の役員の指示や忖度から似たような対応をしています。

何故、そのような間違った方針が伝搬しているのか?

それは元を辿れば経営者が「経営理念」「行動規範」を日ごろから徹底しているかどうかにかかっています。

しかも「経営理念」と現場の判断基準が整合性がない事も価値観が浸透しない理由です。

経営理念には高尚な事が書いているが、それを現場レベルに落とし込む「判断基準」がないのです。

経営者の意識が精神論だけで価値観を組織に浸透させようとしても土台無理な話です。

経営理念と現場の判断基準の整合性を取る事こそ、重要な経営課題です。

 

3、「経営理念」から「課題別経営判断基準」を作ろう

我々は経営承継コンサルティングの一環で、現経営者と後継者で作成する「価値観承継」の基礎となる「経営判断基準づくり」を行っています。

これは現経営者のこれまでの経営の歴史から「失敗したこと」「成功したこと」の事実を積み上げて、後継者に物事の判断の原則をケース別に協議しながら文書化するものです。

そうする事で現経営者の数十年の経験を後継者も類似経験してもらいます。

多くの経営者、後継者、幹部も組織として、企業倫理としてやってはならないことは頭では分かってますが、何を優先すべきか、しかも異常事態での判断基準は各自の価値観で異なってきます。

経営者も日ごろは理念的な事を言っていても、異常時、緊急時には違う指示を出す場合もあります。

それでは組織の判断基準は徹底されません。

そこで、いろいろな課題が発生した時にどういう判断基準で「やるのか」「やらないのか」を明文化するのが「課題別経営判断基準」です。

実際にどんな事が判断基準として明文化されるのか、以下にその目次の事例があります。


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この各判断基準では、「やってはならないこと」「緊急時・異常時でもどちらを優先するか」まで記載します。

そうして継続的に教育したり、物事の判断が必要な会議でこの「経営判断基準」に照らし合わせて検討する習慣をつけることで、「正しい判断と行動ができる組織」へと変化していくのです。

 

経営理念が浸透しないと嘆く企業に不足しているのが、「課題別経営判断基準」です。

これを役員研修などで明文化する作業をこれまで、多くの企業で実施してきましたが、どの企業も今でも活用しています。

また景気悪化や業績が悪い時でも、この経営判断基準に沿って「正しい経営」「後ろ指をさされない経営」を続けています。

「経営判断基準作成研修」の進め方についてはご質問やご相談は下記の問い合わせからお願いします。

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