2025.9.1 業績につながるリアルKPI設定コンサルティングの進め方とは?
いくつかの顧問先で中小企業の実態に合ったKPI経営をコンサルティングをしています。
KPI経営をPDCAするのが「KPI監査®」というものです。
このKPI設定は部門別に行うのですが、この趣旨を理解しないまま「KPI設定」してもあまり効果は確認できません。
巷で言われているKPI、本やネットから持ってきたKPIと、私たちが勧めている「KPI経営」は何が違うのか?
何故、「KPI監査」をすると業績が上がりやすくなるのか、今回はそのケーススタディや理論を紹介しようと思います。
1,巷のKPIはほとんどKGI。だから成果が出ない
「KPI経営」「KPI設定」を検索してみると、いろいろな事例が出ていますが、私流に言えば、多くの場合KPIではなく、KGI(重要到達目標指標)がほとんどです。
さすがに最近はKGIを売上や利益という「業績結果」という的外れな記事はなくなりましたが、それでも「KPIのKGI化」は否めない事実です。
KGIとは「売上・利益」に直結する「重要到達指標」だから、影響度の高い具体策の指標です。
例えば、新規開拓目標や特定商品のクロスセル、アップセル目標などはKGIです。
このKGIを実行するための行動プロセスや行動項目がKSF(重要成功要因)と言われる行動具体策です。
その行動具体策であるKSFを実行する為に、細かく行動数量化したものがKPI(重要業績評価指標)です。
だから、KPIはかなりミクロな細かい数値になります。
ミクロな行動レベルの行動数量数値だから、それを達成すればKSFが達成され、KSFが達成されれば、KGIが達成可能性が高くなり、KGIの目標達成確率が高まれば、売上利益目標に近づくという理屈です。
下記がKGI、KSF、KPI体系図です。
2,行動プロセスの明確化と行動数量化がKPI
一般的なKPI設定が実はKGI設定だったわけだから、ここで再度「KPI」を「KGI」に指定しなおします。
そして、その新たなKGIを実現する為の行動プロセスをを因数分解します。
ここで私が日ごろ使っているのが「売上KGI」と「利益KGI」に分けて、因数分解をする作業です。
「売上KGI」は商品対策、顧客対策、販促対策、新規開拓等の行動プロセスをKSFにします。大体5つに因数分解します。
「利益KGI」は主に粗利率改善に重点を置き、行動プロセスを5つくらいに因数分解します。
この「売上KGI」「利益KGI」からの5つのKSFの捻出が問題で、ここで総論や抽象論になると、KPIがまた抽象的になります。
KPIの是非の判断は「行動内容が具体的かつ明確で、外部環境に左右されず自助努力の行動数量であること」です。
そして、KPI設定の難度基準は「今まで普通に頑張っていた行動量より10~30%増量する」イメージで出します。
このあたりの感覚基準が分からないと、今まで通りのできる範囲のKPIや行動の中身がよく分からない曖昧KPIになってしまうのです。
3,KPIを落とし込む時のコーチング質問
私が各企業の部門長によるKPI設定の会議や研修で使う質問は基本的に「コーチング質問」になります。
例えば、営業部門の責任者がKGIを「粗利率3%アップ」という概念的なKGIを言ってきたら
「粗利率3%アップするには、どの商材の利益改善が一番効果が大きいか」
「その商材の粗利率改善のボトルネックは何か」
「その商材の粗利率改善のボトルネックの中で、一番取り組みやすく年度内に成果が出る確率の高い具体策は何か」
「その取り組みやすい具体策ではどんな対策(値上げ、ムダどり、ミスロス対策等)がどのレベルの数値が上がれば良いか」
「その対策とその数値基準をKGIにしよう。ではそのKGIを実施する為のKSFは・・・・・。」
と最初のKGIをコーチング質問しながら深堀していく、出た答えが新たなKGIとして設定し、そこからまたKSF設定の深堀質問に入ります。
そして、3~5つのKSFが設定されたら、
「このKSFの中で、一番効果的でかつ取り組みやすいものを選ぶとしたらどれか」と聞きます。
そこで選択されたら「それの行動数量を設定しよう。どれくらいの行動数量をすれば効果的か」と聞き、更に「現状はどれくらいの行動数量実績か」も聞き、記入します。
その時KPIは「初めて取り組む行動はまあまあ努力してできるレベルの数値設定」にします。
また既に実施しているKPI項目だったら、10~30%アップの数値設定にします。
そういうように誘導します。
本来なら部門KPIについては、経営者や役員がここまで落とし込めるなら、我々のようなコンサルタントは不要です。
しかし、現実的に実際の経営者や役員もKPI理論を分かっていない方も多く、更にこういうコーチング質問ができない事が多い。
だから我々のような「KPIコンサルティング」や「KPI監査」が必要になるのです。
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