会社にとっての最大の課題は後継者問題なのは今も昔も同じですね。今の社長の代なら、いろいろあっても何とかやっていけるけど、「あの専務が、社長になったら、俺は辞めるもんね」と、内心思っている社員は結構いるかもしれません。恐らく、社員の方が心配している以上に、社長はもっと『不安』なのです。

　特に中小企業の場合、一族が後継する事が多く、それも息子であるケースが一番多いから。社員からすれば「何で世襲するんだ。バカ息子より、有能な社員が社長になった方が、会社も良いし、社員もやる気が出るのに」と思われる人がいるかもしれません。でも、実は後継問題は、単にやる気や能力だけで決められない問題があるのです。それは『お金』の問題です。多くの社長は銀行から借入する為、個人保証します。息子が社長になれば、親父も当然連帯保証を求められ、親父と息子で保証します。また、息子にもそこそこの相続財産もあるでしょうから。しかし、これがサラリーマン社長だと、この保証問題で最初に躓くことになります（経営者保証ガイドラインで、経営者保証を外す動きはありますが、多くの中小企業ではまだまだ）

　何せ、サラリーマン社長は、社長とは言え、他人です。その他人が、自分の会社でもないのに、連帯保証をするかと言えば、これもなかなか難しい。もし、それでもサラリーマン社長が後継する場合は、リリーフとして後継者教育の一環だったり、前社長が会長として実権を握っているケースくらいでしょう。とにかく、社内の実情は別として、金融機関と中心とした社外の目によって、後継者は世襲と言うケースが多くなるんです。

　後継者である息子が普通以上なら、何の問題もありません。もし「バカ息子だったら」が問題です。それでは、「後継者におけるバカ息子」とは、どういう人でしょう？

　正直言って、何もしない・行動力もないバカ息子はまだ、救いがあります。困るのは、中途半端に知識があって、変な行動を取る対応です。変な行動と言っても、本業にあまり影響させない、責任を取れる範囲なら良いのですが、やっている事が、「改革」と称して、社内をかき回して、メチャクチャになる事です。まさに「バカに権力と武器を与えてしまう」事です。

　ここで、バカ息子の定義を紹介しましょう。

1. ハッタリが強すぎる人
2. 政治家や財界人に接近したがる人
3. 有名人の名前を、知人だと言って、やたらとひけらかす人
4. 酒を飲むとやたらに話が大きくなる人
5. 指をふるえさせながら話す人
6. ギャンブル資産を平気で借りる人
7. 離婚経験が多い人
8. 目をそらして話す人
9. 調子のよいことばかり話す人
10. 身分相応に贅沢をしている人
11. 夫婦げんかが多い人や別居生活をしている人
12. 刑事事件その他、不正行為をした人
13. 自分ですごく頭が良いと思い込んでいる人
14. 名刺に多くの肩書きを刷り込む人
15. 一攫千金を本気で夢見る人
16. 小さな約束を守らない人
17. 時間を守らない人
18. 公私混同する人
19. 友人関係がよくない人
20. ヤミ金融に手を出している人
21. ぜいたくな遊びにふけっている人
22. 昼の顔と夜の顔が異なる人
23. 袖の下を要求する人
24. 脱税をしている人
25. 異常に金回りのよい人
26. 会社を異常に成長させている人
27. 仕事に関係の無い名誉職的な公職を持ちすぎて、本職に腰の入っていない人。
28. 直線思考タイプの人
29. 倒産の前科を引きずっている人
30. 交際費を使いすぎている人
31. 超ワンマンで意見を聞かない人
32. 3代目を計画的に育てられない人
33. 労働組合とうまくいかない人
34. 株式投資、競輪、競馬に懲りすぎる人
35. 本人の病気、家族の大病で悩んでいる人
36. 無計画に次から次へと無関連な事業に手を広げている人
37. 有能な社員を平気で首切る人
38. 経理知識がなく、計数に弱い人
39. 会社を私物化する人
40. 社内で平気で不平不満をいわれたり、また中傷されている人

皆さんの会社の後継者がこのような人でない事を祈ります。