会計事務所らしいコンサルティングって何?

コンサルティングといっても、その専門分野によってサービス内容が異なります。私が過去触れ合った範囲では、こんなコンサルタントがいます。

  1. 財務、資金対策に強いコンサルタント
  2. マーケティングに強い        〃
  3. 商品開発に強い             〃
  4. 経営戦略に強い            〃
  5. 経営承継に強い            〃
  6. 物流や工場設計に強い         〃
  7. 生産管理、合理化に強い      〃
  8. 人事賃金制度に強い             〃
  9. IT、業務の効率化に強い       〃
  10. 営業力強化、営業技術に強い    〃
  11. モチベーションアップに強い    〃
  12. 飲食業に強い            〃
  13. 医療(病院、クリニック、歯科)機関の経営に強い   〃
  14. 社会福祉法人の経営に強い    〃
  15. 建設業の経営に強い     〃  等々

この中で、会計事務所らしいといえば、

  1. ①の財務と資金対策に強いコンサルタント
  2. ⑤の相続税を含んだ経営承継に強いコンサルタント

というのが一般的です。それ以外は、何らかの経験があり、指導できる専門知識が必要とされます。

1、会計事務所が売上アップコンサルタントができるのか?

会計事務所の中には、本来「営業コンサルタント」が行うような「売上向上コンサルティング」を支援するところもあります。何らかの専門知識を経験、又は学習した方ならあり得ますが、やはり少数派でしょう。「売上向上コンサルティング」には、営業戦略、マーケティング知識販促企画、商品企画、営業技術教育が複合的に絡んで、成果を出します。だから、一般的には会計事務所が苦手な分野だといえます。

2、会計事務所らしいコンサルティングとは?

会計事務所は適切な経理体制を指導し、正しい各種の数値結果に基づいて企業に経営判断や経営計画を提案するのは、一般的に言う「経営指導」です。しかし、多くの会計事務所は、数値を適切に処理することに精一杯で、「経営提案」まで能力も時間も追いついていないのが現状です。その上、コンサルタントがするような苦手な分野を強制しても、適応できる監査担当職員は多くはないでしょう。

しかし、そんな彼らも「月次試算表」を確認するだけで顧問先満足度が上がるとは思っていないでしょう。すると、自分たちの業務フィールドに近い、会計事務所らしいコンサルティングなら、抵抗感もない少ないはずです(ダメな職員は何をやらせても、忙しいの一点張りでしようとしないが)

会計データは基本、経営結果の数値です。それに対して、各種のコンサルティングは、「結果を出すための指導」です。実はその間にあるコンサルティングこそ、会計事務所らしいコンサルティングと言えるものです。一言でいえば、経営結果に直結するプロセスを数値化して、コンサルティングを行う事です。

3、KPIコンサルティングとは

今、お勧めしているのはKPIコンサルティングです。KPIとは「Key Performance Indicator(重要業績指標)」と言われるものです。売上や利益というのは、最終的な結果目標です。その最終結果にするためには、プロセスを小分けして目標と対策を設定することです。簡単に言うと、「このプロセス数値が良ければ、自ずと売上や利益も良くなる」というもの。

因みにこれに対して、売上や利益などをKGI(key goal Indicator(重要目標達成指標)」と言います。このKPIを紐解き、プロセス数値をモニタリングしていけば、どんな赤字の企業も何等かの変化が出ます。仮に赤字が続いても、ある指標が好転していれば、経営者もやる気になるものです。

4、KPIはどこから出すのか?

KPIはどこから出すのか?段階的に言えば、BSC(バランススコアカード)という手法に沿って行うのが望ましいです。しかし、中小零細企業はその概念から、手続きが難しく、途中で断念する方も多いのも事実(最近は、若山経営が開発した「戦略ナビ」などのいいソフトがあります。)。そこで、今まで5事務所で取り組んだ「売上の公式」からKPIを導くというやり方をしています(残念ながら、これを全事務所が徹底しているわけではなく、興味がある一部職員がしている状態)

この売り上げの公式を経営者から聞き出すことは、どの職員もできますが、それをKPIとしてモニタリングし、「経営者の対策を考えてもらう」という作業がなかなかできていません。それはさておいて、売上の公式とは、例えば

小売業の場合なら、来店客数×買い上げ率×単価=売上となります。

来店客数は、販促(チラシ、Web、DM等)×ポイント又はリピートの仕掛け×紹介しかけ等々買い上げ率は、接客トーク×商品の見せる化×お得感価格の見せ方×ポスター又はキャッチコピー等々単価は、重点商品の売価×セット商品の売価×次いで商品の売価 等々こういうように、どの企業も「売上の公式」があります。それを経営者と協議しながら、紐解き、それらをKPIとして、毎月チェックしていきます。チェックしたら、そのKPIをよくするために「なにを、どうするか」を具体的に質問し、経営者に考えさせて、行動内容を聞き出し、文字化していきます。こういう一連の作業を月次監査に組み込むか、別担当が言って別料金をもらうか、して生産性を上げていくわけです。

業種ごと、また同じ業種でも、経営者が狙う経営戦略によってこのKPIの科目は異なるのでまず、その打ち合わせをすることから、徐々にKPIコンサルティングが進んでいくわけです。

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