嶋田利広ブログ

SWOT分析コンサルタント

事業再構築 計画書 審査官も気にする12のキーワード

SWOT分析、事業再構築、経営承継可視化コンサルタントの嶋田です。

不採択コメントから予測 事業計画書12のポイント.jpg

7月2日に第2次公募の締め切られました。

第3次、第4次で申請を検討中の方に、是非とも事業計画書に入れてほしい項目を11点ご紹介します。

これは第1次採択結果の、見せて頂いた20件弱の不採択コメントから類推したものです。

ご参考にして頂ければ幸いです。

 ⑴設備投資を伴わない「事業アイデア」のみは差別化が難しい

 ①設備投資のないビジネスモデルなら、参入障壁が低く、すぐにまねされやすいと思われる。

 ②コストリスクなしで思いついたビジネスは、誰でも気づく、だから独創性のPRが難しい。

 ③思いつき・思い込みでないか、あらゆる角度から分析して客観性を見る事が大事。

 

⑵具体的な根拠と事実と固有名詞で書く

 ①「強み分析」と「機会分析」が浅いと「抽象的概念論精神論」の記述が多くなり、訴求力が減る

 ②固有名詞とは、5W2H(誰が、何を、何故、どこで、いつ、いくらで、どうする)で分かる表現。どこまでも超

具体的な表現を意識する

 

⑶事業計画で深く検討する要素

 ①「絞ったターゲットとニッチニーズ」があるか?顧客のフォーカスと固有ニーズが薄いとその後のマーケティング対策も浅くなりがち

 ②参入する新規事業の競合先と比べて、「より新規性の高い・より違う視点からの付加価値とサービス」の表現になっているか

 ③「新規見込み客を継続して作る為のダイレクトマーケティング、オンラインの仕組みや計画はあるか?」顧客が継続して増えるマーケティング対策は重要

 

⑷「浅い計画書」に共通=マーケティング戦略不足

 ①「見込み客を見つけ、見込み客を顧客に切り替える」仕組みや広告、コンテンツ提供を計画は具体的に書いているか?

 ②最低3本の販売チャネル・見込み客開拓ルートをつくる。1つの顧客開拓の道しかない場合はリスクに弱いと判断される可能性がある。

 ③継続配信コンテンツ企画と制作計画はあるか?動画やメルマガ、SNS、小冊子、体感企画、セミナーなどの継続的に配信するコンテンツ計画がないと、顧客維持と新規開拓は本来難しいはず。

 ④「オンライン販売」「Web通販」などのB to CやD to C(製造者が消費者へ直販等)に取り組んでいるか?どの業態でもオンライン系のマーケティング対策は不可欠。

 

⑸セグメントしたターゲット・フォーカスした顧客属性

 ①一般的な顧客属性のターゲットだと「刺さらない」

 ②ターゲット顧客の

  • 「抱えている課題は何か」
  • 「喫緊で困っている事は何か」
  • 「このターゲット当事者でしかわからない悩みの本質は何か」
  • 「普通の人はココにおカネは掛けないけれど、この人達はそれにおカネを払う価値観を持っている、そのポイントは何か」

  この課題に直結した事業だから、USPも明確だし、継続コンテンツ計画も立てられる。

 ③「ニッチニーズ」で細分化(セグメンテーション)する事で「本当のターゲット顧客」が見えてくる

 

⑹参入する既存業者との差別化・付加価値化

 ①新規事業で後発参入する場合、先発企業との圧倒的な差別化・角度をずらした差別化・イメージ戦略が必要

 ②先行同業者を事前調査分析し、課題と良い点を把握しておく(審査官からの指摘でも同業者分析が浅いというコメントも多い)

 ③「どこにこだわり」「どこがトンガリ」「口コミや広告でPRしたい箇所」を明確する

 

⑺キャッシュポイントが分かりやすく、主導的なビジネス

 ①どこからおカネが生まれるのか分かりにくいビジネスは続かない(パット見て判断する審査官も理解しにくい)

 ②自ら顧客開発をせず、売上の主導権をどこかに握られ、受動的なビジネスモデルは持続化が疑問(直顧客開拓が必須)

 ③申請者自身は良くわかっているビジネスもでも、初めて見る審査官が分かりにくい内容は評価されにくい

 ④計画書に不要なものを書かず、新規事業のポイントに絞った書き方をする

 

⑻実現可能な、具体的な顧客開拓・マーケティングプロセス

 ①「何故、そんなに売上が上がるのか」「何故、そんなに顧客が増えるのか」、その具体的な理由が必要⇒市場規模の積算理由が不足しているのが多い(行政事業レビューで中小企業庁担当部長が指摘している)

 ②新規客を集めるマーケティングプロセス(見込み客リスト収集策、接点開発の具体策=無料コンテンツ、無料体験、無料サンプルなどを広告やチラシを通じて、無料登録だけしてもらう事で見込み客リストを集める等)を具体的に計画化

 ③新規客を集め続ける為の仕掛け、企画などの行動プロセスを数値目標にしたKPI(重要業績指標)を設定すると現実味が増す(多くの計画書は売上中心であり、審査官が見たいのはそのプロセスに具体性と根拠性があるかどうか)

 ④サブスク・継続的購入してくれるリピーターを維持する対策(一度購入した顧客が継続して購入する商品サービスの内容、その販促策としての特典や継続コンテンツ配信など)を具体的にと計画化する。またそのプロセスとしてのKPI設定も行う。

 

⑼USPに直結する商品・戦略以外は「盛り込み過ぎ」ないように注意

 ①一つの新規事業ビジネスに2つ以上の戦略が混在すると分かりにくい。

 ②(同業者競合者)と差別化する箇所以外の事をあれこれ書くと、全体がぼやけてしまう。

 

⑽各種具体策が収支計画の販管費の科目に漏れなくいれる

 ①あるコメントにこんな感じの指摘があった。「対策に掛かる費用が計画に入れてない。対策と収支計画が矛盾している」と。

 ②短時間で審査している訳ですが、しっかり見られている事を意識すべき。

 ③マーケティング対策を具体的にいろいろ書くならそれに掛かる経費内訳やその根拠も記載する。

 ④マーケティング対策は広告費だけでなく、無料サンプル・チラシの費用、代理店へのインセンティブ、体感セミナーの経費、Webページ費用など「具体策と収支の辻褄合わせ」は忘れないように。

 

⑾市場規模の積算に使うネット上のデータと推計の考え方

市場規模の積算根拠が浅いという中小企業庁の指摘があり、審査でもチェックされているようです。

市場規模の積算根拠の出し方は

 ①消費財、生産財の市場で公式な統計データがあればネット上から探し出す(総務省、経産省など)

 ②自社の新規事業の市場データが存在しない場合、

  ●フェルミ推定を使い、可能性のある根拠をそろえる

  (フェルミ推定とは、実際に調査することが難しいような捉えどころのない量を、いくつかの手掛かりを元に論理的に推論し、短時間で概算することである(ウイキペディア))

  ●取引先・仕入れメーカーの売上や成長率を聞き取り、その市場シェアを類推。大体の市場規模を見る

  ●その後自社の付加価値をプラスして、自社事業の市場規模を見るが、国内全体の市場規模から特定地域の市場規模を割り出すなら、日本の人口の占める地域の人口比で地域市場を割り出す。

「市場の積算は分からない」諦めず、推計値をいろいろな所から捻出する努力が必要

 

⑿何回か自身で読み直すと「不適切な表現」が見えてくる

当社が行っている事業計画書のレビューサービスでは、最初に事業計画書を頭から一通り申請者に読み上げてもらいます。

すると、私が指摘する前に

「あれ!これって表現がおかしいですね」

「ここは辻褄があいませんね」

と本人が先に気づきます。

実は、自身で書きこんだ計画書はほとんど黙読しています。

第3者の相手に向かってプレゼンをしている訳ではありません。

だから、本人だけでは気づかないのです。

黙読より、第3者に向かってプレゼンする事をおススメします。

更にその第3者がプロならそれに越したことはありません。

 

このように、事業再構築 計画書を書く時は意識することが多いので、指導される認定支援機関もしっかりサポートしてほしいものです。

 

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