医療福祉のコンサルティング実例
   
◆RE−経営式 「これからの賃金・評価制度」の在り方 ◆  
 
今、人事制度・教育制度に取り組まない病院・介護施設は厳しい
   
将来に不安を感じる看護師・介護職の退職が増加し、基本機能の維持が難しくなる。
新たに採用しようと公募しても、面接時に上手く説明できない。
毎年の昇給時期・賞与時期が苦痛そのもので、その度に退職者が増える。
『増える仕事量』に、まったくフォロー面で対応しない組織だと、皆が疲弊してしまう。
『楽しい職場作り』の為の、企画・フォロー・支援・制度・バックアップがないのに、仲間の退職・仕事量の増加が追い討ちをかけ、残された職員がさらに疲弊し、悪循環に陥る。
『この職場で働くメリット』を具体的に説明できないと、中途採用者も、新卒者も入ってこない。
       
 
苦労して『人事制度』を導入したのに、こんな筈では? の事例
   
人事考課を導入し個人差を明確にしたが、今までの馴れ合いが解消されず、逆にチームワークに不協和音が聞かれる。
効果者訓練も行い、管理者も評価が出来ると思っていたが、結局皆が中間評価ばかりで、個人差が付いていない。
新賃金制度や人事制度の説明を管理者には十分行ったので、管理者から現場職員に伝えるよう指示したが、説明不足により、現場では誤解・曲解があり、組織への不信感を助長し退職者が出た。
今の職員の年齢や経験を尊重し過ぎて、経験や能力がありそうな中途採用者の賃金に、それなちの金額を提示できなかったので、辞退される事が多い。
今の職員の不利益にならないよう、賃金制度を再設計した結果、全員の基本給や総支給が大幅に上昇すようになり、途中で止めた。
採用が上手くいかず、ハローワークへ出す金額を高めに設定したら、それを見た既存職員から、根拠の説明を求められ、答えられなかった。
人事考課制度を導入したが、その時期の管理職の負担が増大し、部門によってはいい加減な査定を出してくる。
人事考課の点数だけをつけていて、評価面談の教育をしていないので、結果のフィードバックもされず、現場から不満が出ている。
人事考課もただやっているだけで、それが体系的になっていない。管理者から『形だけ導入しても意味がない』と不満があり、制度全体の位置づけが曖昧なままになっている。
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人事考課を導入したら、問題が起こると「個人の責任」にしがちになり、責任転化や報告の隠蔽など、職場がギスギスしている。
       
 
賃金制度・仁評価制度 導入における『意外と大事な事』
   
『年功給よりも能力給が優先』と声高に言われるが、年齢が上の職員を下の職員が部下として使うことで、組織不全になる事もある。上手くいっている組織は、ある程度年功要素を残している。『日本人的要素』は無視できない。
『家族手当』は、業務能力には関係ないと言われるが、基本給ではない家族手当は、該当者がいなければ支給する必要がないものだし、生活費補填という点と中途採用者へのメリットとして、最近見直されている。
賃金制度導入の結果、総支給額が無条件に上がる事は愚策だが、基本給が上がる事は多々ある。しかし、賞与制度と退職金制度の見直しにより、大きく人件費原資が上がる事は抑制できる。
『職種別賃金』を導入する際、年齢・経験年数で一律に基本給を決定するより、少々細かくなるが、『過去の経験職場のレべル』・『資格取得後の実務期間』・『前職での立場・部下の数・業務内容』を定義し、どこに位置するかが一目瞭然になるテーブルを作成し決定する。
新賃金移行時に、調整給や意味の説明が出来ない手当ては皆無にしたいが、制度自体を複雑化しないためには、調整給・手当てもあながち無駄ではない。完全を目指すとケース毎にシステム化しなければならず、複雑化して、結局続かない。
『人事考課』は絶対万能ではない。だから、評価を人事考課の紙だけで行わず、他の取組みも一緒に導入する必要がある。人事考課だけなら、形だけの制度であり、ほとんど機能しない事が多い。
考課者訓練に時間と費用をかけて毎回行う事も結構だが、その効果は、自己満足(管理者には一応やっている)程度の事が多い。人事考課内容が曖昧な為に、それが必要なのである。曖昧さを少しでもなくす、職務技術評価・目標管理の評価・行動結果評価を導入する事も合わせて行う。
       
人事考課による『個人評価』の限界と弊害
   
同じ失敗をする問題職員なら、『人事考課』でも十分マイナス評価でき、結果を賃金に反映できるが、多くの職員は、良いと悪いが混在する平均的な職員である。
平均的な職員には、人事考課による「情意評価」や「姿勢評価」を行っても、ほとんど差が付かない。
「悪い結果を出したら、辞めるのでは」という不安もあり、評価の中央化傾向から脱皮できない。
職場内で起こる事故やトラブル、本人の能力不足による問題も、多くは組織として・ルールとして・システムとして、事前に構築しておけば防げる事も多い。
システムではなく、個人の常識や姿勢だけに依存するから、「気のきく職員」・「気のまわらない職員」で差をつけようとする。
本当に個人だけが悪いのか、管理者の指導不足ではないのか、病院・介護施設全体のシステムの問題ではないのか。冷静に考えると「人事考課」で悪い個人をあぶりだすのは、あまり意味が無くなる。
       
『助け合いのマネジメント=チーム評価と教育制度』とは
   
抽象的な人事考課要素を、病院・介護施設独自の当法人に絶対必要な項目に絞り、『必要行動を具体化して表現』そて分かりやすくする事。
人事考課は特定の上司だけが評価せず、複数の管理者(例 師長と主任で一般看護師を評価)で、1次2次評価ではなく、その場で話し合いながら査定する。
管理者への面談技術教育・コーチング教育等、『話を聴いてくれる管理者』をつくる教育制度を先に作る事。人事効果査定だけが1人歩きすれば、ほとんどの場合失敗する。
事故やトラブル・クレーム等の品質問題には、個人へのけじめよりは、チーム解決の責任と結果を公開する事。再発者には、それなりに個人のケジメが必要だが、それ以上にチームで解決する風土を創る。
個人目標設定もして良いが、それを殊更評価に活用しない。チーム目標管理に徹し、チームとしてその成果が目で見て分かる【可視化】、やり甲斐を具現化させる事に注力する。
年功給的要素を若干残し、貢献度の違い、業績との関係は『賞与』で明確化させる事。基本給に年齢給や経験給のテーブルがあってもよい。どうしても基本給に出したくなければ、手当で入れても良い。
院長・施設長・事務長・師長は、職員への説明責任を果たす為、可能な限り人事制度の文書化を行う事。
技能教育だけが教育ではない。人事制度に根ざした「マネジメント教育」・「モチベーション教育」をシステム化する。その負担があっても「成果」が出れば、不満はヤリ甲斐に変わる。
『仕事は大変だが、他の病院・施設に比べれば、ココは楽しい職場』という評価が、職員から出るように努める。給与が他より高い事が難しいので、今は、組織運営のソフト面に力を入れる。
       
『助け合いのマネジメント』を具体化する
   
年度計画に「人材方針」として、文言を入れ、マネジメント体系を文書で示す。
チーム目標管理制度を導入し、半期チェックの公開を行う。
「カイゼン活動」を導入し、「現場が楽になる支援」・「誉めあう風土」を創る。カイゼン成果を公開しあう。
『評価面談技術教育』・『コーチング指導教育』を年間計画の中で定期化する。
管理者・職員の精神的負担になっている項目を、「聞き取り」し、組織として何が出来るかを具体的に示す・・・・それが「教育機会」を設ける事になる。
部門の職員全員参加できる「年度部門計画書」の作成を行う。方針の徹底と公開が出来る。