著 書 紹 介
   
     
  ◆ 企業部門 ◆    
  V デフレ時代の「減収創益経営」    
    編著者 嶋田 利広   
    共著者 尾崎 竜彦 ・ 宮下 房義 ・ 日高 大作       
       2001年    
     (株)マネジメント社    
  先の見えない日本経済。米国の同時多発テロ事件に端を発した視界不良な経済環境、国内金融機関の不良債権の処理の促進で、信用不安はあらゆる業種企業に広がっている。 小泉政権が発足してから、政府が進める構造改革も道は険しく、新勢力と旧勢力とのせめぎ合いの中で、日本丸は相変わらず浮上しない。我々経営に携わるものとしても、「期待半分、恐怖半分」と言ったところか。
  企業経営にしても、大きく成長する企業が一部にあっても、7〇%の企業が実質赤字だと言われる現状は、何かが時代とそぐわないようになってきているのだろう。 何が、時代とそぐわないのか?社会の構造や戦後教育システム、政治、官僚組織とか、いろいろあろうが、経営面に関して一言で言えば、「企業は成長するものである」、と言う固定観念ではなかろうか。その観念が、企業の革新を遅らせ、負債を増やし、毎年悪化する業績に歯止めをかけきれないのだと考える。
  しかし、実態としての経営は、経費を払うため・借金を返済するため・信用評価を維持する為等、発展成長せざるをえない事が多々ある。でも、そこで一寸考えて貰いたい。無理に頑張る事が、逆に傷口の拡大になっていないかと言う事である。 日本経済の失われた10年と言われるように、政権政党の政策判断ミスのそしりは免れまい。だが、その判断の元となっているのが、「未だ、なんとかなるさ」と言う危機感の希薄さや「利害調整の難しさ」・「既得権益の抵抗」と言う、分かっていても出来ないお家事情があったのであろう。それは、企業活動にも言える事だ。 勇気不足と決断不足、判断回避が、時間の空費をもたらし、気が付いたら更に悪化したと言うのが実態だ。
  そこで、筆者は見切り千両の経営こそ、再生可能な経営ではなかろうかと思う。現に筆者がコンサルティングした企業にも、見切り千両で、立派に再建した企業が複数ある。 経営者の決断、それは「減収経営を恐れない、事前の一策を打つ事」と考える。 確かに、企業が減退する事への懸念もあり、金融機関がそれを許すかどうかは分からない。 しかし金融機関としても、不良債権処理に、ある程度の目途がつけば、少しでも返済する企業をそう易々と処断する事は避けたい筈だ。だから、基本方針が決まれば、社員・顧客・取引先・金融機関に向けて、知恵を絞り、各種関係先へ改善計画を説明・交渉するしかない。
  「減収創益の経営 積極的減収経営で活路を拓く」
  拙著が、混迷を来たす将来の経営方針に、何がしかの参考になれば幸いである。 本書執筆に当り執筆協力を頂いた、(有)マネジメントスタッフの尾崎社長、(有)経創の日高社長、継栄システム研究所の宮下代表、そして総合的なアドバイスを頂いた、マネジメント伸社の安田社長には、この紙面を借りて厚く御礼申し上げたい。